『子ども兵の戦争』P・W・シンガー [本]
映画『ブラッド・ダイヤモンド』で描かれた少年兵に衝撃を受け、
詳しく知りたくなって読み始めた本。
子供を兵士として使う現在の戦争の形を様々な国を例に詳細にレポートし、
子供兵を使う原因やその弊害、そして最後には解決策も提案しています。
文体は少し堅い感じで、ちょっと難しい印象でしたが、
なるべく丁寧に説明しようとする著者の姿勢が伝わってきます。
レポートの合間に、その内容に関する実際の子供達の声が挿入されているので、
著者の文章だけでは伝わらないリアルさがあって、
なんとなく現状を思い描きながら読むことができました。
ここに書かれている内容は、私にとっては初めて聞く衝撃の事実ばかり、、
子供兵は、映画のアフリカだけでなく、全世界で行われていて、
その動機は、すべて大人達の勝手な都合。。
でも、兵隊になる子供は拉致で無理矢理、、というだけでなく、
貧困の為に兵士になることを自ら選ぶ子供達もいるという悲しい事実、、
「今」しか見えていない大人達が子供達の「未来」を壊していることに、
悲しさと切なさと憤りを感じます。
この本で、少し「戦争」の見え方が変わりました。
泥沼化した戦争は終わりが無いように思えて、辛くなりますが
全章を通して読んでみると、最後の「子供兵をなくす方法」が
とても現実的で有効な手段のように感じて、未来に希望を残しています。
大人が始めたことは、大人が終わらせなくてはいけない、、
子供に罪は無いのだから。。
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