『人間失格』太宰治 [本]
今更ながら、急に太宰治が読みたくなった。
「人間失格」は、たぶん10代のころ?に確かに読んでいるはずなのに、
内容どころか、面白かったかどうか?さえも覚えていない、、、。
なんとなく読んでて気がめいる印象がある太宰文学。
大人になって改めて読んでみると、、、
おもしろい!めちゃめちゃおもしろい!!
作品は彼が亡くなる直前に書かれたもので、私小説の様な内容。
自らを‘葉蔵’という架空の人物に置き換え、
幼少からの人生をふりかえっていきます。
文章力もさることながら、この‘葉蔵’という人物の魅力的なこと!
繊細で、傷つきやすく、弱い人間。。。
でも、自分が傷つくことよりも、他人が傷つく姿におびえ、
無理な自分を演じ続ける、、、
「まあいいや」と曖昧に、要領よくふるまうことをヨシとせず、
痛いほどに、自分と向き合い常に自分に誠実でありつづけた人。。
主人公が太宰そのものならば、彼は弱い人間どころか強い人。
ここまで自分と向き合い続けることは、普通は怖くてできないし、
ましてや文章にするなんて苦痛でしかないと思う。。
それをやり遂げることが、太宰治の命題だったのかもしれない。
ここまで極端ではないにしろ、主人公の振る舞いは
どこか自分にもあてはまり、共感を覚える。
きっと、この作品が長く読まれているのは多くの人がそう思うからだろうな。
あとがきの最後のマダムの言葉は、
太宰の願いのようで、切なく悲しく響きます。。
☆新潮社から出ている文庫の装丁が素敵です。シリーズで3冊♪
やはり一昔前の文学は、格調高いのでしょうね。
私も最近芥川龍之介を読み直したら、とてもおもしろかったです。
太宰治はあまり読んでないんですが、読んでみたくなりました。
本の装丁、いいですね。これなら読みたいと思わせてくれます。
by coco030705 (2008-12-06 15:15)
coco030705さん
こんにちは☆
最近、ちょっと前の日本文学読みたい気分で。
芥川龍之介もいいですね!
最近、いろんな装丁の文庫がでてておもしろいです。
このシリーズはちょっとおしゃれでいいですよね〜。
by ジジョ (2008-12-08 01:55)