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月に囚われた男 [映画:た行]

このミッションは何か、おかしい。

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“社会派SF映画”として話題の『第9地区』がとうとう公開されましたが、
同じ日に日本公開された今作も、イギリス発の“社会派SF映画”。
単館上映で地味な扱いですが、密かにこちらの公開の方が楽しみでした♪

なんといっても、監督はダンカン・ジョーンズ☆
デヴィッド・ボウイとアンジェラ・バーネットの息子!
と聞けば、興味を持たずにいられません。

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かっこいい家族だな〜。ダンカンは面影残ってますね☆

本名は“ダンカン・ゾウイー・ヘイウッド・ジョーンズ・ボウイ”。
長いので“ゾウイ・ボウイ”と呼ばれてたらしいです。
そういえば、そんな名前の子がいたような。。

邦題はデヴィッド・ボウイのアルバム「世界を売った男」と掛けてるのかな?

お父さんの事が話題になりがちですが、「英国インディペンデント映画賞」など
数々の賞を受賞しているらしく、作品としての評価も高いみたいです♪


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物語は近未来。
地球に必要不可欠なエネルギー源を採掘するため
月の基地にたった一人で3年契約で滞在中の男サム(サム・ロックウェル)が
2週間を残すある日、自分と同じ顔をした人間に遭遇する…というSFスリラー。

すでにこの“たった1人で3年間”とう設定がイヤ〜なかんじです(いい意味で)。
なにかおかしい、、、という空気が張りつめてて、息苦しい。。
唯一の相棒は、人工知能のガーティだけ、、という孤独。
そりゃ、ちょっと精神病んでくるよね、、

この映画、サム・ロックウェルのほぼ「一人芝居」。
極限状態においつめられた人間を見事に演じてます。
彼の演技がなかったら、この映画は成立してないかも。

ときどき「ん?これはどっち!?」と混乱する部分もあるし、
ちょっと分かりずらいところもあったりするのだけど、
物語のテーマが現実的なものなので、とっても引き込まれました☆

人間のアイデンティティの問題であったり、労働者と企業の関係であったり。
SFだけど、現実社会と置き換えれば、どれも共感できるもの。
特に、労働者を“消耗品”として扱う企業の方針は、さもありなんって感じです。

余談ですが、映画で登場する企業から送られてくるVTRの挨拶は韓国語。
どうやら韓国企業が月の採掘権を持っている…という設定みたいです。
昔は、こういう先端技術を持つダークな企業は日本じゃなかったのかな。。
そういう所も時代を感じました。

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この映画の物語もなかなかだったけど、一番良かったのは映像☆
低予算、、ということもあってか派手なCGやVFX?っぽさは全然なくて、
むしろ地味で、ちょっとチープな雰囲気にみえる部分もあったり。
でも、それが昔のSF映画みたいな空気を醸し出してて、すごくよかった☆

映画のテーマとか主人公の悲壮感とか、この映像だから余計に重く感じられたのかも。
悪く言えば「地味」なんだけど、良く言えば「イギリス的」な知的さがあります。

監督は、すごく映画やSFが好きなんだろうな〜。
描きたいテーマへの主張もしっかりしてるし、頭が良くて常識的な人なんだと思う。
なによりも、たぶんすごくいい人w

デヴィッド・ボウイはいいお父さんだったんだろうな。こんないい子に育つとはw
まだ“デヴィッド・ボウイの息子”という形容詞付きで紹介される監督ですが、
それが外れる日は近いと思います☆

次回作はジェイク・ギレンホール主演の『Source Code』が決定してるそう。
楽しみです♪


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サムの唯一の相棒として登場してたのは人工知能のカーディ。
観終わってから知ったんですが、声はケヴィン・スペイシーだったんですね!
機械っぽく知的で、でも本心がどこにあるのかわからない妖しさもあって、
とっても魅力的な登場人物(?)でした。


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【公式サイト】http://moon-otoko.jp/
原題:MOON 監督:ダンカン・ジョーンズ 脚本:ネイサン・パーカー
製作総指揮:マイケル・ヘンリー、ビル・ザイスブラット、トレヴァー・ビーティー、ビル・バンゲイ
音楽:クリント・マンセル
サム・ロックウェル/ケヴィン・スペイシー/ドミニク・マケリゴット/カヤ・スコデラーリオ

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☆デヴィッド・ボウイ主演のSF。邦題はこっちにも掛けてる?

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コメント 22

コッスン

すごかったですね。
ネタバレになるから、あまり語れないけど
わかってからのストーリーと完結までが素晴らしかった。
映像も無駄が無い。
トイレにかいた、かすかに見えてる
前に書いて消したっぽいニコニコマークとか
それだけで表現して。
脚本が良いよね。

予告でマイブラザーあったじゃないですか
そこで私は
トビーマグワイアみて
http://dondari.blog.so-net.ne.jp/2009-12-26
このシーン思い出して
シャッターアイランドのインタビューで
「僕は大人げない(つまり子ども)」といってた
ディカプー思い出して
予告はシリアスなのに一人で笑ってました。
絶対変態だと思われたはず。
ジェイク・ギレンホールもいいよねー。
プリンスオブペルシャは見たいと思ってます


by コッスン (2010-04-11 01:55) 

よーじっく

こんにちはぁ(^_^)/
読ませていただいて、観たくなりました。
静岡では、公開されないだろうなあ(ノ_・。)

ミニモイの新作は、ボウイじゃなくて、ルー・リード
なんですね。微妙に期待します。
by よーじっく (2010-04-11 09:30) 

ジジョ

コッスンさん

わかってからの展開がテンポよかったです♪
ニコニコマーク、そうなってたんだ☆ 気づかなかった^^;
見返すと、いろいろ伏線が貼ってありそうでしたね〜。

マイブラザーのトビーマグワイア別人みたいでした☆
でも、あれおもしろそう。観たいです♪
ジェイク・ギレンホールのはゲームが元のやつ?
パイレーツオブカリビアンみたいですね〜。
こういう衣裳のジェイク・ギレンホールは新鮮☆
これも観たいです♪
by ジジョ (2010-04-11 15:51) 

ジジョ

よーじっくさん

今のところ東京&神奈川だけみたいですね〜T_T
そのうち拡大公開されるのかな、、?

そうそう。ミニモイの新作。ルー・リードなんですよ。
ちょうどこの映画のあと試写で観たんですが
吹替え版だったので、ルーリードの声は聞けませんでした^^;
by ジジョ (2010-04-11 16:45) 

トミュウ

予告やチラシで気になるな〜と思っていたんですが、
これは必見!という気がしてきましたね〜。
邦題も興味をそそる感じでいいですね。
わたしも『地球に落ちて来た男』かな〜と思ったりしました。
by トミュウ (2010-04-11 17:24) 

aneurysm

大阪人ですがまだやってまへん。
先に第9地区見てきます~。
by aneurysm (2010-04-11 17:30) 

hash

>日本じゃなかったのかな
ハリウッド映画で使われる電子機器も最近は、SONYやTOSHIBAでなく、LGやサムソンですね。
by hash (2010-04-11 23:16) 

コッスン

こんばんわ。
ショービズ見た?
ガガ様。
ジジョさん17日18日いついくの?
次回は私も誘ってー。

ニコニコマークは
トイレだと思うけど
銀色の(ステンレスかアルミ)壁面
にあと2週間といってニコニコマークをマジックで書いたシーンですよ。
はっきり見えてました。
(マジックを消してマークを書いた跡だけ残ってた)
これが、伏線だ。
by コッスン (2010-04-12 01:10) 

ジジョ

トミュウさん

思った以上におもしろかったですよ☆
好き嫌いが分かれるかもしれないけど、、、^^;
やっぱりデヴィッド・ボウイといえば『○○な男』?
これでピンとくるファンは多いでしょうね〜☆
by ジジョ (2010-04-14 00:51) 

ジジョ

aneurysmさん

京都&関西は4/24~のようですよ☆
わたしもSFつながりで『第9地区』も観てきました〜。
のちほどおじゃましますね!
by ジジョ (2010-04-14 00:54) 

mig

こんばんは、ジジョさん

観て来てから数日経っちゃいました。

ほとんど同じ感想です〜。^^

『Source Code』、ヴェラファーミガも出るので楽しみです♪

by mig (2010-04-14 00:54) 

ジジョ

hashさん

そうなんだ〜。
韓国企業って、いつの間にか凄い事になってたんですね。
(常識、、^^;?)
by ジジョ (2010-04-14 00:55) 

ジジョ

コッスンさん

ショービズ観てないです〜。
うちはTVが無いので、ここ数年はごぶさたなんです、、、^^;
GAGAは18日の予定だったんですけど、
どーしても行けない感じになっちゃったので、
友達にゆずりました、、T_T
また次回来た時にはコッスンさん誘いますw

ニコニコマークうっすら残ってたのか、、、
なるほどー。それが伏線ですね☆
by ジジョ (2010-04-14 01:01) 

ジジョ

migさん

コメントありがとうございます〜♪
『Source Code』ヴェラファーミガもでるんですね
最近、売れっ子? よく耳にするような。
こちらの作品もたのしみです☆
by ジジョ (2010-04-14 02:45) 

KLY

そっか、前半ちょっと出てきたハングルはそういうこと
だったんですねぇ。何かちょっと寂しいですね。
プロット自体は妙に古臭くて、でもだからこそ身近に
感じてしまいました。
by KLY (2010-04-15 01:56) 

ジジョ

KLYさん

「ハングル?」って感じでしたが、
通信相手も企業の人もアジア系だったし。
時代の流れですね〜。
古臭いけど、古臭すぎない絶妙でした。
わたしはこのセンス好きです♪
by ジジョ (2010-04-15 05:37) 

mori2

トラコメありがとうございました。
ネタバレになりますので、あんまりツッこめませんが、
“1人3役”は、なかなか素晴らしかったですね。

>挨拶は韓国語。
↑そうそう、基地内の機械にもハングルが書かれてましたね。
あれみんな“Made in KOREA”なんでしょうか??
by mori2 (2010-04-15 13:27) 

ジジョ

mori2さん

サム・ロックウェルは出来る人ですね〜。
彼を配役したあたりもセンスいいな♪と思います☆
基地の設備は韓国製じゃないかな?
機械の技術は有るけどデザインがちょっと古い感じが
“Made in KOREA”っぽい感じがしましたw

by ジジョ (2010-04-16 08:20) 

テンプラ・ソバ・ニーロ

邦題の元ネタはお父さん関連からだったんですね。知りませんでした。
by テンプラ・ソバ・ニーロ (2010-05-06 20:42) 

ジジョ

テンプラ・ソバ・ニーロさん

いやいや。
わたしの勝手な推測なんで、違うかもしれません、、^^;
by ジジョ (2010-05-10 21:52) 

けろ

こんにちは
この本を検索したらこちらのブログに着ました。参考になりました ありがとうございます。
by けろ (2010-07-28 09:14) 

ジジョ

けろさん

こんにちは〜☆
こちらこそコメントありがとうございます^^
お役にたててよかったです〜。
よかったらまたいらしてくださいね〜♪
by ジジョ (2010-07-29 10:25) 

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