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ザ・コーヴ [映画:さ行]

環境保護か? 食文化か?

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2009年のサンダンス映画祭では観客賞。
第82回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー映画賞。
日本での上映中止騒動など、いろいろと話題の作品です☆

日本でイルカ漁が行われてる事は、ヘイデン・パネッティーア
抗議活動に来た時のニュースで初めて知りました。
(映画でもちらっとヘイデン映ってましたね!)

どういう風に行われてるのかも興味あったし、
そもそも反捕鯨(特にイルカ)の方々の主張というのが良くわからず、、
どうして反対してるのかも知りたかったので、早速みて来ました♪

、、が。結局反対してる明確な理由は良くわからなかったな〜、、^^;


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『わんぱくフリッパー』という動物ドラマのイルカの調教師だった
リック・オバリーが中心となってイルカの保護を訴えているのですが、
イルカの素晴しさや、ビジネスに利用される現状などを説明されても、
自分の過去の行いに対する反省と償いだったり、
イルカが大好きだから反対!って言う風にしか見えず、、

「あなたが牛を食べる様に、わたしたちはイルカを食べる」という日本の主張には、
「いや!イルカは水銀に汚染されてるから食べたら危険なんだ!」っていう、
完全に論点のずれてる主張をしてるし、、

丁寧に水俣病の過去事例まで説明してたけど、、、

普通に考えたら、水銀汚染の元をどうにかしたほうがイルカの為になりそうだし、
その論法だと、反対するならそっちでは?と思うけど、、ちがうのかな〜?

なんか、いろいろと批判をするだけで、結局「なぜイルカ漁をやめてほしいのか」
という明確な主張動機が良くわからなかったので、単なる感情論にしか思えず、、

確かに、かわいいイルカの映像を見た後に、血で染まった海のイルカの様子は
痛々しくて、かわいそうな気持ちにならなくはないけれど、
そもそも、他の肉や魚もそうやってとったものを私たちは食べてるわけで、、

それなら『いのちの食べかた』牛の映像の方がよっぽど衝撃的!

反対を主張してるにしては、説得力が弱いな〜って感じでした。


100709_3.jpg

そもそも、これは反イルカ漁を訴える映画なんでしょうか?

確かにオリバーさんの主張はそうなんでしょうけど、
監督は、あんまりそうは思ってない感じがしたけれど、、

どちらかというとオリバーさんという面白おじさんと盗撮大作戦!
楽しんでいるような、みょうに娯楽的な雰囲気がありました。

でも、オリバーさんのような何かに使命感を持ってしまった人の
パワーっていうのは、すごいですね☆

良いも悪いも、こう!と思ったら一直線な人の勢いをしみじみ感じました。

そういう意味では、オリバーさんも、オリバーさんに「プライベート・スペース」と
あだ名された日本人の人も、方向性が一緒というか、同じキャラだから
一晩サシでお酒でも飲んで話したら、意外と仲良くなりそうなのにな〜。


ドキュメントというよりは、エンタメ的な要素のある娯楽作品というかんじ。
とはいえ、悪役にされてしまった実在の方々もいるわけで、、、
実際はどうなのかはわからないけど、釈然としない思いは残ります。。

ドキュメント作品としては、同じアカデミー賞でノミネートされてた
『ビルマVJ』の方が、作品的にもテーマの主張の面でも優れててお薦めです☆


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【公式サイト】http://thecove-2010.com/
原題:THE COVE 監督:ルイ・シホヨス 脚本:マーク・モンロー
製作総指揮:ジム・クラーク 音楽:J・ラルフ
リック・オバリー/ルイ・シホヨス/ボブ・ピーターソン/クリストファー・プラマー

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コメント 12

コッスン

やっぱり、ジジョさんはご覧になりましたね。
ドキュメンタリーだから、専門分野のような気がしてました。
オバーリさんが、イルカ猟をやめてと思うのは勝手だと思うんですが
映画にまでするのが、なんか必死感で、ちょっとおかしくなってきました。
論点が食い違ってても、主張はただひとつ!!みたいな必死さです。(笑)

映画のイメージは、立入禁止区域に
侵入するスパイ映画のようで面白かったです。

私が映画をみて感じたのは
イルカを食べても、牛を食べても、何を食べても良いんだけど
イルカの地球上にいる数と捕獲数と食べられてる数が
比較されてると分かりやすかったんですが
データが出てこなかったし
日本人の人が知らないのが文化なのはおかしい
という主張だったんじゃないかな。と思いました。

私はイルカが食べられてることを知らなかったんですよー。
こんなに生きてるのに。

by コッスン (2010-07-09 20:39) 

ジジョ

コッスンさん

専門分野w たしかにドキュメントは良く観てますね〜^^;
オリバーさんはちょっと面白いおじさんでしたね。
映画的にはドキュメントっぽくないスパイ映画の様なつくりが
評価されたのかな〜って感じがしました。

そうそう。「なぜイルカ漁がダメなのか」っていう
明確な主張が全然できてないというか、、、
データ的なものもなかったし、主張を裏付けするようなものが
なかったので、単なる感情論にしか見えなかったのが残念。
なんでダメなのか知りたかったのに〜。

わたしもイルカを食べるって全然知りませんでしたよ☆
ヘイデンが涙ながらに訴えてる映像観て知りました。
わたしも、そこそこ生きてるのに、、^^;
そういう日本人の知らない日本文化って結構ある気がします。
日本文化、、というか地域文化。。かな?
文化の違う人たちが文化を論点に議論しても平行線で、
本当の意味で理解し合えるのは難しい気もします。。
日本側の主張も聞きたいな〜と思いました☆
by ジジョ (2010-07-10 04:51) 

コッスン

そうそう水の、ミスターコバヤシの人のやつとか
見てるじゃないですか・・・
ミャンマーのやつとか・・・
私はあんまり見ないですよ。(笑)シッコはみたかな

オスカーで評価されたのは
盗撮までの準備や実行のあのスリル溢れる
侵入シーンなどではないですか?

何を隠していたのかを違法で撮り
その手順をエンターテイメントに編集したという
作品全体の完成度が評価されたんじゃないかなーと思いますが
私はオスカーの作品賞とか
全然、共感できないので
アカデミー会員の人たちと感覚が違います。
結構、うらんでるでしょ・・・(エイドリアンのこととか)
今年も作品賞も私がつまんない・・と思った作品だったし
去年もです。
だから気にしてません。>なにをだ。

今度は、イルカの漁師(イルカは魚か?)さんの立場から
オバリ被害の作品をエンタメで撮ったら見てみたいですね。

by コッスン (2010-07-10 16:48) 

aneurysm

>結局反対してる明確な理由は良くわからなかったな〜、、^^;

多分無いと思います。
というかこの映画は詐欺。
お金と時間返して欲しいです。
by aneurysm (2010-07-11 12:39) 

みなみ

こんにちは。映画をご覧になったとのことで、ひとつ知っておかれるべき情報がございます。いちおう事実ですので、ご面倒かと思いますが、読んでみてください。

入江にサーフボードで不法侵入をして太地町の漁師に追い出されて泣いている女性活動家の2人、サメに襲われた時にイルカに救われたとコメントしているプロサーファー、重要な証言を行なっているオーストラリアの元閣僚はシー・シェパードのメンバーです(シー・シェパードの公式サイトに書いてあります)。「グリーンピース共同設立者」(だったかな?)という肩書きで出てくるポール・ワトソンさんはシー・シェパード代表です。製作のOPSはシホヨス監督が2005年に共同設立した非営利団体で、シー・シェパードと協力関係にあります(参考:OPSの公式サイト http://is.gd/dnyIE ※現在このページは修正されています)。

以上です。読んでいただいてありがとうございました。
by みなみ (2010-07-11 15:13) 

ジジョ

コッスンさん

わたし世界情勢などに疎いので、、^^;
ドキュメントは良い勉強になります☆シッコも観ましたよ〜♪

日本公開版は、いろいろと削られてる部分があるようですね。
日本版だけ観てアカデミーの件は判断できないけれど^^;
あの“ミッション”部分が引き寄せられるところなのかも☆
受賞作品が良い作品ってわけでもないですしね〜。
自分の好みとかもあるし☆

ただ賞効果で世界中から買い付けされたり、、とか
影響力はあると思うので、この作品が賞でいいのかな〜、、
という気がしました。。^^;
自国の人が逮捕ギリギリのコトしてる映像が世界中に出回るって…。
私だったらちょっと恥ずかしいからやめてほしいかも、、^^;

太地の方がああいう態度や方法とるのには、
過去の事件とかそれなりの経緯と理由もありますよね〜。
わたしも是非、太地側目線の作品を観てみたいです☆
by ジジョ (2010-07-12 01:23) 

ジジョ

aneurysmさん

そうですね〜。無いんでしょうね、、、^^;
彼らの意見があれば聞きたいと思っていたのですが、、
映画の本筋とは別に、彼らは日本を下に見てるんだろうな〜とか
言葉で明確に語らずとも映像だから映ってしまう、
伝わってしまう部分があって、文章などで感じてた違和感の元が
分かった気がしたので、わたしは観てよかったです〜☆
by ジジョ (2010-07-12 01:39) 

ジジョ

みなみさん

こんにちは〜☆
サーファーやポール・ワトソンなどのSSとの関連は、
いちお映画を観る前にいちお読んでいました^^
リック・オバリーも元SSのメンバーで、
抗議活動の為に名簿から名前を削除したとか、、
なにかと話題のSSですが、私は勉強不足なので、、
彼らに関して何かを語れるほどの知識がないので^^;
いろいろと観たり読んだりして自分なりに考えたいと思ってます☆
コメントいただけてうれしかったです^^
情報ありがとうございました♪
by ジジョ (2010-07-12 01:50) 

みなみ

おはようございます。
ご存知でしたか。それはたいへん失礼しました。
まあ私も事実以上の話は難しくてできません。
ただ配給側、上映推進している方々、マスコミが言わないのが
なんとなくずるいなと思って、コーヴを観たと書いておられる方の
ブログにコメントを書いているだけなんです。
(かといって街頭でメガホン持って叫んでいる人達とは全然関係ないんですけど)
少なくとも太地町の人たちにとっては、
この映画も抗議活動のひとつに過ぎないのだろうなとは思います。
大変失礼いたしました。
あたたかいお返事ありがとうございました。
by みなみ (2010-07-12 07:23) 

ジジョ

みなみさん

いえいえ。こちらこそコメントありがとうございました^^
どんな作品でも作り手側の意図というのはありますからね、、
特にドキュメントの場合は作品の背景などに注意しながら、
観るようにはしてるので、そういう情報はとても大切と思います☆
配給側としては製作側が映画についてSSの関与を
否定している手前言えない…とか。いろいろあるのかな〜^^;
実際はわかないけど、、
よかったら、また情報等あれば教えてくださいね〜♪
by ジジョ (2010-07-13 09:20) 

ednakano

そもそも太地のイルカ漁が世界的に注目されたきっかけは、シーシェパード(SSCS)の妨害です。その時の逮捕者には、ポールワトソン代表の2人目の妻も含まれており、彼女はその後AFL(動物解放戦線という過激な団体で、事件動物解放のために、時限爆弾んで人間を殺そうという連中)のメンバーと目され、地下に潜伏し消息不明です。リック・オバリーもSSCSとしばしば共同作戦を行っており、関係を否定するも非常に深い仲です。イルカ漁の画像にSSCSが賞金出したりしていますし、ある意味SSCSの作戦変更からきた、偽装別働隊の作成した映画です。
その関係に詳しい人間には常識ですが。この映画の最大の目的は、日本人がこんなひどいことしているから、シーシェパードに募金して、もっと日本人をやっつけろです。アカデミー賞も、SSCSに金やコネが大いに貢献しているでしょう。
参考までに
by ednakano (2010-07-23 22:26) 

ジジョ

ednakanoさん

こんにちは☆
網を切ってイルカを逃がした事件ですよね。
未だに捕まってはいないんですね。。
映画の裏事情はいろいろありそうですが、
映画をみればたいていの人は「???」と思うと感じたので
個人的にはこの映画を観て募金をしようと思う人がいるのが
驚きなのですが、いるんですね、、
コメントありがとうございました^^
by ジジョ (2010-07-26 14:57) 

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