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ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女/2火と戯れる女/3眠れる女と狂卓の騎士 [本]

スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説三部作。
デヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ主演で
ハリウッド版で映画化されたことでも話題になった作品です☆

スウェーデン版の映画が公開された時は、ふ〜ん。。
っていう感じだったのだけど、ダニエル好きとしてはハリウッド版は見たい☆
ということで、公開までまだ日にちがあったので原作を読んでみる事に。。

そしたら、完全に原作にハマりました☆

映画公開時に一作目は読み終えていたのだけれど、
映像見ちゃうと影響されそうで、映画未見のまま3作目まで
一気に読む事に。ひさびさの推理小説。おもしろかったです。

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何より未知の国スウェーデンに興味しんしんになりました!

章の合間に、参考資料的にこんな記述が挿入されています。

スウェーデンでは女性の18%が男に脅迫された経験を持つ。

スウェーデンでは女性の13%が、性的パートナー以外の人物から
深刻な性的暴行を受けた経験を有する。


スウェーデンでは性的暴行を受けた女性のうち92%が
警察に被害届を出していない。



え!?そうなの?

そういうデータを背景に読んでいくと、
なるほど、、という感じで更におもしろいです。

この小説は殺人事件とか国の陰謀とかスパイとか、
そういうものを題材にしながら、
女性への暴力や性差別のような、
どこの国にもある問題と戦う女性の話なんですね。

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三部作を通して活躍するのはリズベットという女性。
彼女が本当に魅力的で。
社会から様々な圧力を受けつつも、それと常に戦う姿は
本当に応援したくなります。

映画のリズベットは、そんな感じかな〜。
映画を見るのも楽しみです。

原作者は残念ながら既に亡くなっていて、
完成している作品は、この三部作だけとか、、

本当は第5部まで構想があったと言われてるので、
続きが読めないのは、本当に残念です。。

まだまだ続きが読みたかったな〜☆



★原作本

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

  • 作者: スティーグ・ラーソン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/12/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




ミレニアム2 上 火と戯れる女

ミレニアム2 上 火と戯れる女

  • 作者: スティーグ・ラーソン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/04/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上

  • 作者: スティーグ・ラーソン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/07/09
  • メディア: ペーパーバック



★スウェーデンといえば

IKEA Perfect Book(イケアパーフェクトブック) (NEKO MOOK 1626)

IKEA Perfect Book(イケアパーフェクトブック) (NEKO MOOK 1626)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング
  • 発売日: 2011/04/28
  • メディア: 大型本




GOLD

GOLD

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: POLAR
  • 発売日: 1993/09/21
  • メディア: CD




ライフ+5

ライフ+5

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: CD



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『Michael Jackson KING OF POP Japan Version』Christian Marks [本]

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映画『THIS IS IT』は、人としてのマイケル・ジャクソンを見せてくれた
いいドキュメント映画でした〜♪
映画の中では直接語られてはいないけれど、彼の佇まい、言動、所作は
いろいろな事を乗り越えて、目的を持った人の強さと美しさがありました☆

『Michael Jackson KING OF POP Japan Version』は、
KINGとしてのマイケルよりも、一人の人としてのマイケル寄った本です。

オフィシャル本で、マイケル本人も全てを監修したという希少な一冊☆
プライベートな写真は、本人が提供したものらしいです。

内容は経歴、ディスコグラフィー、著名人からのコメントなど
(2002年の発売なので、データは2001年までのものになってます)
インタビューでは、皮膚の病気のことなどもマイケル自身の言葉で語られてます。

その中で、故ダイアナ元皇太子妃との友情についても触れていて、
マイケルはダイアナにこうアドバイスしたと言っています。

強く、決然としていれば誰もあなたを傷つけない。
あなたを本当に傷つけられるのは、あなた自身しかいなのだから。


マイケル自身も、自分にこう言い聞かせて生きた来たのかも。。
そう思うと切ないけれど、とっても説得力のある言葉です☆

------------------------------------------------------------------------------
そして、今回この本を読むきっかけとなったのが、
2001年にイギリス・オクスフォード大学でマイケルが行った講演。
その全文が掲載されています☆

「家族と愛」という題の講演で、
“Heal The Kids”のメッセージを伝える為に企画されたものですが、
この内容がかなり秀逸!!

世界中の子供達の現在、未来を案じ、どうするべきかを
自分の人生を紐解きながら、語っているのですが、
父親との確執があり、子供時代をスターとして過ごし、
自分自身も子を持つ親の立場になった、マイケルだから言える言葉の数々は、
誠実さと愛に溢れています☆

子供らしい子供時代を過ごせなかった自身の思い出や
芸能界の他の子役達を例にあげながら、子供時代の大切さを説きますが、
話はここから更に発展します。

今日、それは世界共通の不幸であり、世界的規模の悲劇です。
現代では、子ども時代が悲惨な状況になってきているのです。
喜びを感じたことのない、権利を与えられない、
自由を許されない、子どもらしさを知らない
たくさんの子どもたちが生み出されているのです。


ここが“Heal The Kids”の原点だということがわかります。
マイケルが実体験してきたことの中から生まれた思想で、
他の子供達が同じような思いをさせたくない、、、という
切実な気持ちが伝わります。

そして、その問題は子供達だけの問題では無いと彼は続けます。

大人も同じです。
子どもの体をした小さな大人を育てようと努力すればするほど、
大人の中の子どもらしさも失われていきます。
大人の生活にも、子ども的な部分を必要とする場合がたくさんあるのです。


だからマイケルは、あんなに純度の高い音楽が作れたのね。。
子供のような純真さを大人も持ち続ける事が、どれだけ大切か。
それが世間的に「奇行」と映ったとしても「必要な場合がある」ことを
彼自身よく理解していたんだなぁ。。

そしてマイケルは子供達は「愛される権利がある」と主張します。

どの人も、自分が愛される対象であると実感することが、
認識の土台、つまり意識のはじまりなのです。
髪の色が赤か茶色かを知る以前に、
肌の色が黒か白かを知る以前に、
どんな宗教に属しているかを知る以前に、
自分が愛されていることを実感できなくてはならないのです。


これは、本当にマイケルでなければ言えない言葉な気がする。。
あたりまえのコトなのだけど、あらためて言葉にすると
本当にその通りで、、あまりに単純なことすぎて見過ごしがちな事を
こういう風に表現できるのは、さすが!です。

子供時代がなかったマイケルは、
同様にマイケルが有名な為に子供時代を普通に過ごせない
自分の子供達の事も危惧しています。

どうして僕たちには普通の子ども時代がなかったの、と聞くでしょうか。
その時、子どもたちがいい方向に解釈してくれるといいと思います。
「あの特殊な状況の中で、父さんはできるだけのことをしてくれた。
父さんは完璧ではなかったけど、温かで、まあまあで、
ぼくたちを愛する努力をしてくれた」
とあの子たちが心の中でつぶやいてくれるといいなと思うのです。


娘のパリスちゃんは追悼式のスピーチで
「最高のパパでした」と発言してますね。。
マイケルの父親としての気持ちが伝わっていたんだと思うと、
この短いスピーチに全てが詰まっている、、と改めて思えます。

その後マイケルの講演は、彼の父親とのことへと移行します。
いろいろあることは事実としながらも「許したい」と言っています。
そして、「許す」とこが大切だと訴えます。

怒りに満ちた世界でも、
慰めの心をもたなくてはなりません。
絶望に満ちた世界でも、夢を忘れてはなりません。
不信感に満ちた世界でも、信じなくてはなりません。


そして、親子の関係を修復することが
新たな出発点となると語ります。

親が邪魔だと思っているみなさん、代わりに手を差し出してください。
ご両親に無償の愛を与えてください。
これは、みなさんに望むことであり、自分自身に言い聞かせていることでもあります。
そうすれば、親たちはわたしたち子どもから愛し方を学ぶことでしょう。


そうすれば、荒れ果てた寂しい世の中に、
愛が取り戻されるでしょう。


『THIS IS IT』でメッセージとして出て来た“Heal The World”
worldというと規模が大きすぎて、わかるけど、、、自分は何から始めればいいのか、、
と思うけど、原点はココなんだと気づかされる講演です。

まずは身近な人との関係を愛で満たす事☆
一人一人がそれをすれば、世界中が愛に包まれる。
マイケルはそう言いたかったのかも。

全文を読むと、本当に感動のスピーチです。

マイケルの歌詞には、この講演の思想がすでに反映されてると思います。
なんとなく分かっていたつもりだったけど、
講演全文を読んで、本当の意味で歌詞を理解できたかも、、という気がする☆

読んでよかった♪


【映画「THIS IS TI」の感想はコチラ↓】
※1回目の感想はコチラ
※2回目の感想はコチラ
※IMAX版の感想はコチラ



☆裏表紙にはマイケルの肉声が聞けるチップ内蔵です!電池切れてるけど、、

マイケル・ジャクソン写真集 Michael Jackson KING OF POP Japan Version

マイケル・ジャクソン写真集 Michael Jackson KING OF POP Japan Version

  • 作者: Christian Marks
  • 出版社/メーカー: スピーチ・バルーン
  • 発売日: 2005/02/28
  • メディア: -


☆講演の全文はこちらにも掲載されてます♪

文藝別冊 マイケル・ジャクソン KING OF POPの偉大なる功績

文藝別冊 マイケル・ジャクソン KING OF POPの偉大なる功績

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2009/10/09
  • メディア: ムック


☆DVD発売決定!amazon限定とか…いろいろあるのね。。




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『人間失格』太宰治 [本]


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今更ながら、急に太宰治が読みたくなった。

「人間失格」は、たぶん10代のころ?に確かに読んでいるはずなのに、
内容どころか、面白かったかどうか?さえも覚えていない、、、。

なんとなく読んでて気がめいる印象がある太宰文学。

大人になって改めて読んでみると、、、

おもしろい!めちゃめちゃおもしろい!!

作品は彼が亡くなる直前に書かれたもので、私小説の様な内容。
自らを‘葉蔵’という架空の人物に置き換え、
幼少からの人生をふりかえっていきます。

文章力もさることながら、この‘葉蔵’という人物の魅力的なこと!

繊細で、傷つきやすく、弱い人間。。。
でも、自分が傷つくことよりも、他人が傷つく姿におびえ、
無理な自分を演じ続ける、、、

「まあいいや」と曖昧に、要領よくふるまうことをヨシとせず、
痛いほどに、自分と向き合い常に自分に誠実でありつづけた人。。

主人公が太宰そのものならば、彼は弱い人間どころか強い人。

ここまで自分と向き合い続けることは、普通は怖くてできないし、
ましてや文章にするなんて苦痛でしかないと思う。。

それをやり遂げることが、太宰治の命題だったのかもしれない。

ここまで極端ではないにしろ、主人公の振る舞いは
どこか自分にもあてはまり、共感を覚える。

きっと、この作品が長く読まれているのは多くの人がそう思うからだろうな。


あとがきの最後のマダムの言葉は、
太宰の願いのようで、切なく悲しく響きます。。






☆新潮社から出ている文庫の装丁が素敵です。シリーズで3冊♪

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

  • 作者: 太宰 治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952/10
  • メディア: 文庫



こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952/02
  • メディア: 文庫



新編銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

  • 作者: 宮沢 賢治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/06
  • メディア: 文庫



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『蹴りたい背中』綿谷りさ [本]


初☆綿谷りさ。

「文藝賞受賞」とか「芥川賞受賞」とか、
肩書きが派手になればなるほど、なんとなく読む気が失せてしまうのですが、
これは読んでみてよかった☆

“さびしさは鳴る”

冒頭のこの一言で打ちのめされました。
その後つづく、約1Pの文章がすごい。

ここだけ書きたかったんじゃないか、、と思えるほど
強く印象に残る。

物語は、高校生活になじめない男女の友情とも恋ともつかないお話。

冒頭の衝撃にくらべると、物語はわりと“普通”な印象。
なんとなく、マンガを読んでいるような気分。

それでもやっぱり、ところどころに感じる鋭くて、毒のある文章が
この人の作風なのかしら? 好きだわ☆

そして、「蹴りたい背中」とはナイスタイトル☆
センスいいかも♪

蹴りたい背中

蹴りたい背中

  • 作者: 綿矢 りさ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2007/04/05
  • メディア: 文庫


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『カラシニコフ』 松本 仁一 [本]



こちらも、映画『ブラッド・ダイヤモンド』で気になった
アフリカの紛争のことが知りたくて読み始めた本。

著者はアフリカ各地を駐在員として過ごした朝日新聞の記者。
本に収められた文章は、朝日新聞にコラムとして掲載されていたものです。

新聞コラムだからなのか、文章がめちゃくちゃ分かりやすい☆
アフリカも紛争も銃もよく分からない私でさえ理解できて、
ぐいぐいと読ませてしまう文章力には脱帽です。

ちなみに題名になっている「カラシニコフ」とは、
「AK47」と呼ばれる自動小銃のこと。
内戦やクーデターには必ず登場する「悪魔の銃」と呼ばれるものです。

1冊目は、AK47を通して、それが使われた現場の話や使われる理由、
そして驚くことに、開発者のカラシニコフ氏へのインタビューも掲載してあります。

タイトルは銃の名前ですが、決して銃に関する本ではなく、
アフリカの現状を浮き彫りにし、結果的には「国家」とはなんなのか?
というテーマまで行き着きます。

その流れが、自然で分かりやすく「あぁ、、こうして国作りは失敗するのか、、」と
突きつけられる現状に絶望的な気持ちにもなりますが、
最終章のソマリランド共和国のエピソードは希望の光を感じるものでした。

2冊目は、前作のアフリカからすこし広げて南米、中東といった地域のルポ。
銃が運ばれるルートや、その出所には大国の影がちらついて、
こちらも、とても読みごたえのある内容でした。

密造AKの村や、アフガンの若者の話など、ニュースだけでは分からない、
現場の空気を感じます。

現場に赴き、自分の目で見て、話して、感じたことを
歴史をふまえ、未来を見つめて綴った、良質なルポルタージュでした。

カラシニコフ

カラシニコフ

  • 作者: 松本 仁一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2004/07/16
  • メディア: 単行本



カラシニコフII

カラシニコフII

  • 作者: 松本 仁一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2006/05/03
  • メディア: 単行本


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「d-labo」dream laboratory by SURUGA bank [本]



東京ミッドタウンで、もう一つ気になった場所。
「夢研究所」と名付けられたスルガ銀行のミッドタウン支店。

タワーの7Fにある、銀行としては恐ろしく不便な場所、、
でもココのコンセプトは『必要がなくても行きたくなる銀行』。

その通り、中にはソファーやギャラリー、ドリンクカウンターなど、
「銀行」というよりは「サロン」なスペースが広がっています。

その中でも、個人的にかなりツボだったのが図書スペース。
小さなスペースなのですが、そのセレクトがめちゃめちゃ偏ってる☆

「夢」「環境」「お金」にまつわる本を集めているらしいのですが、
そのセレクトが、ホントにすてき☆

「kurkkul」のセレクトに似てるな、、とおもっていたら、
やっぱり、幅 允孝さんのセレクトでした。

ヒルズのTSUTAYAなどは、ふ〜ん、、という感じですが、
こういう、ぎゅっ!っとエッジのたったコンセプトのある場所での
セレクトには、キラキラ光る感じがあって、スキです。

本を立てかけると、WEBサイトが起動して関連書の検索も自分でできる、、
という設備も整っていて、楽しいスペース。

大混雑のミッドタウン内で、ほっこりできるイイ空間でした。

http://www.d-labo-midtown.com/


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『子ども兵の戦争』P・W・シンガー [本]


映画『ブラッド・ダイヤモンド』で描かれた少年兵に衝撃を受け、
詳しく知りたくなって読み始めた本。

子供を兵士として使う現在の戦争の形を様々な国を例に詳細にレポートし、
子供兵を使う原因やその弊害、そして最後には解決策も提案しています。

文体は少し堅い感じで、ちょっと難しい印象でしたが、
なるべく丁寧に説明しようとする著者の姿勢が伝わってきます。

レポートの合間に、その内容に関する実際の子供達の声が挿入されているので、
著者の文章だけでは伝わらないリアルさがあって、
なんとなく現状を思い描きながら読むことができました。

ここに書かれている内容は、私にとっては初めて聞く衝撃の事実ばかり、、

子供兵は、映画のアフリカだけでなく、全世界で行われていて、
その動機は、すべて大人達の勝手な都合。。

でも、兵隊になる子供は拉致で無理矢理、、というだけでなく、
貧困の為に兵士になることを自ら選ぶ子供達もいるという悲しい事実、、

「今」しか見えていない大人達が子供達の「未来」を壊していることに、
悲しさと切なさと憤りを感じます。

この本で、少し「戦争」の見え方が変わりました。

泥沼化した戦争は終わりが無いように思えて、辛くなりますが
全章を通して読んでみると、最後の「子供兵をなくす方法」が
とても現実的で有効な手段のように感じて、未来に希望を残しています。

大人が始めたことは、大人が終わらせなくてはいけない、、
子供に罪は無いのだから。。

子ども兵の戦争

子ども兵の戦争

  • 作者: P.W. シンガー
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本


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『空中スキップ』ジュディ・バドニッツ [本]



いつもヘンな(イイ意味で)の本にイカす訳をつけてくれる
岸本佐知子さんの新訳書。

原題の“Flying Leap”は“飛びながら跳ぶ”というような意味だそうですが、
それを「空中スキップ」と訳した岸本さんは、やっぱりイカす☆

帯に“妄想にもほどがある!”と書かれているとおり、
この本の物語は、現実の中の非現実。
いつもの道の脇道を入ってみたら、異空間が広がっていたかんじ。

映画の『ビック・フィッシュ』でお父さんが話してくれた、
不思議な物語を思い出しました。

でも“夢の様なファンタジー”というよりは、
“毒特盛りのピリッとするファンタジー”。

短編集なのですが、同じ人が書いたとは思えない様な、
様々なタイプのお話が収録されています。

訳者あとがきに「見知らぬ遊園地の乗り物に次々乗せれらる」気分と
書かれていましたが、まさにその通りでした。

そして、今回は装丁のイラストがすてき☆
本の内容をうまく表現している、かわいいけど怪しげなイラスト。
紙の選び方もナイスです☆


空中スキップ


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『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』北尾トロ [本]


法律にまったくうといライターが見た裁判傍聴記。
新聞にも載るような大きな事件から、小さな事件まで、
筆者が見たままの状況や感想をつづったもので、
意外に楽しく読んでしまった。

「読んでしまった」と思うのは、
そこにちょっと罪悪感も感じながら読んでしまったから。

文章は素直に「野次馬目線」で書いてあるので、
裁判でおこるやりとりや、被告の風貌などにつっこみつつ、
おもしろく読めるようになっています。

たぶん、わたしも行ったらこういう目線でみてしまうのだろうし、
これは素直な感想なんだと思います。

ただ、、、やっぱり映画「それでも僕はやってない」を観たあとでは、
その裁判の裏の裏を想像してしまいます。。

著者は自分が野次馬目線であることも自覚しつつ、
裁判を身近に感じる手がかりになれば、、とコメントしているのが救い。

確かに、私は裁判所に行ったこともなく、もちろん傍聴もないので、
この本で、少し身近になった気もします。

映画で感じた裁判所の「怖さ」が少し中和されたかんじ。

野次馬的な傍聴がイイとは思いませんが、
行かずに怖がるのも良くない気がするので、機会があったらしてみようかな、、傍聴。。


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『14歳』千原ジュニア [本]


お笑い芸人「千原兄弟」のジュニアがひきこもり時代を書いた
自伝的小説。

ジュニアがひきこもりだったことも、芸人になるきっかけも知っていたけど、
そのひきこもり時代が、こんなに苦しそうなものだとは思わなかった、、

感受性が強すぎて、感じたことをどう表現したらいいのか分からなくて、
将来のことも見えなくて、ただ自分は人と違うことは分かってて、
でも、それが良いのか悪いのかも自信がなくて、
もがいて、苦しむ小さな男の子の姿が痛く、切なく感じました。

と、同時にこの歳になってみると分かる親の気持ちというのも痛くて、
親にとっても、子供にとってもしんどい時期だったんだろうな、、と思います。

文章は、ちょっと詩のような感じで短い文章の繋がり。
それが、14歳のようでもあり、大人の冷静な感じもあり、不思議な感覚。

個人的には、テレビの砂嵐の表現はすこし盛り上げすぎな感じがしたけれど、
本当に、こんな風に感じていたんでしょうね、、

きっと真剣に「生きよう」としているんだろうな、この人は。

しかし、芸人としては「ジュニア天才」と言われているけど、
わたしはやっぱり人間としては「お兄ちゃん、すごいわ☆」と思います。


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