ミスト [映画:ま行]
スティーブン・キング原作の「コワイ系」の映画は
とってもB級なイメージ(ミザリー除く)。
逆に「カンドー系」の映画は上質なイメージ。
その「カンドー系」を撮った監督が「コワイ系」を撮ったのが
この『ミスト』という映画。
“映画史上かつてない、震撼のラスト15分”
のキャッチコピーも「だいじょうぶかなぁ〜」感を煽るカンジ。
こわごわ鑑賞してみたところ、これが本当に震撼のラスト☆
ずっしりやられる、重いラストにしばし呆然とさせられます。
ストーリーは突然表れた深い霧の中に潜む“何か”に
翻弄される人々を描くパニック映画。
霧から垣間見える“何か”は、巨大イカ?アナコンダ??な
B級感ありあり☆
霧が発生した理由も「なんだそりゃ!?」な内容で、
ところどころにツッコミどころは満載。
でも、、、そこは“娯楽”として楽しむ部分。
この映画の見所は、「絶望」へ向かう過程と、
人間達のそれぞれの選択です。
何も見えない霧の中に立った時、
前に進むのか、、留まるのか、、、
何を心の支えにするのか、、、その先に何を見るのか。。
ストーリーは完璧な「絶望感」へと観客を連れて行きます。
かすかな希望も見いだせない中での選択をあざ笑うかのようなラスト。。
彼のした選択を「仕方ない」と思ってしまった私も
すっかり霧の中に居た事に呆然とさせられます。
先が見えない世の中で、私たちが下す決断は正しいのだろうか?
何が「正しい」のかなんて、誰にもわからない。
ぢゃ、「私」は何を基準に決断していくんだろうか。。。
重い命題を突きつけられるような映画でした。
【公式サイト】http://www.mistmovie.jp/
↓映画とはラストが違うらしい原作。読みたい☆
マンデラの名もなき看守 [映画:ま行]
南アフリカで行われていた人種隔離政策“アパルトヘイト”。
黒人の自由と権利を奪い、弾圧しつづけたこの政策は、
今は撤廃されているものの、その根底に流れる「差別」という思想は、
今もなお、世界各地で違う形で存在しつづけるもの、、、
「民族弾圧」のニュースが流れる今、とってもタイムリーな作品。
この作品は、30年近く投獄されたネルソン・マンデラと
彼が釈放されるまで、監視しつづけた看守との心の交流を描いています。
「白人は黒人より偉い」「黒人はテロリスト」という考えが常識だった時代。
でも看守は、小さい時に黒人と遊んでいて、
その子にもらったお守りを大切にもっている人。
心の底では「黒人はテロリスト」なんて思っていなかったんでしょう。
ただ、世論に流されて無難に生きてきた彼が、
マンデラに出会ったことで、本当の自分の心に気づき、
それを貫いていきます。
きっと私も、世論が自分の考えの様に錯覚しているコトがある気がして、
ハッとします。
でも、そんな看守の心の動きがぼんやりしていてイマイチわかりずらいので、
映画としては、だらだらした印象。。
もったいない☆
とはいえ、黒人少年に習った棒術でマンデラと看守が対戦するシーンでは、
2人が立場を超えて心を通じ合わせた感じがして、じ〜んときます☆
心を通わせるのに、言葉は必須では無いんですね。
『生まれつき他者を憎むものなどいない。人は憎しみを学ぶのだ』(ネルソン・マンデラ)
憎しみを学ぶ前の心は誰でも愛にあふれているハズ☆
そう信じたいです。
【公式サイト】http://mandela.gyao.jp/
未来を信じて―南アフリカの声 (ノンフィクシヨン・Books)
- 作者: ティム マッキー
- 出版社/メーカー: 小峰書店
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
魔法にかけられて [映画:ま行]
コピー通り、本当に“アリエナイ”お話☆
実写とディズニーお得意のアニメを融合した作品で、
アニメのおとぎ話のお姫様が、現実世界に迷い込むところから
実写になる、、というもの。
冒頭は、アニメーションでさすが!ディズニー♪のクオリティの高さ☆
一気に、夢の世界に連れて行かれます。
新キャラのジゼル姫は、歴代のプリンセスの中でも一番かわいいかも。
王子も、今までのプリンセスシリーズとはちょっと違う、
ちゃんとキャラ立ちした王子さま。
森の動物たちと、歌って♪踊って♪ 夢の世界だったのもつかの間、
現実世界に迷い込んで実写になってからが凄いコトになります、、、
アニメの世界ではかわいいお姫様も、現実世界で同じ事をすると
単なる「イタい女の子」にしか見えないのは、、、なぜ?
アニメで楽しく歌ってた森の仲間たちも、
現実のN.Yでは、ドブネズミと公園の鳩とゴキブリ!ってどうなの?
ジゼルの歌につられて集まってくるゴキブリの大群は、
ちょっとしたホラー映像でしたけど、、、?
しかも、出会ったその日に愛を誓い合う、
おとぎ話のご都合主義を完全否定するかのように、
今回のお姫様のお相手は「離婚弁護士」。
“現実はそんなに甘くない!”とお姫様に説きます。。。いいの?
今までのプリンセスシリーズのセルフパロディというか、自虐ネタ満載☆
ツッコミどころ満載☆
思った以上に“アリエナイ”感じが、かなり笑えます。
自分で作った世界を、自分で壊すこの勇気☆
ディズニーという企業のものすごいパワーを感じます。
これは、ディズニーが好きじゃない人に是非見てもらいたいカモ♪
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今回は、ジャパンプレミアの試写会で鑑賞。
ゲストは監督のケヴィン・リマ、音楽のアラン・メンケン、
そしてパトリック・デンプシー。
ランドからは、アリエル以外のプリンセス&プリンス大集合で、
個人的には、こっちの方がうれしかった♪
出演者のインタビュー中もバックでずーっと細かい演技をつづける
プリンセス達のプロフェッショナルさに感動です☆
http://www.disney.co.jp/movies/mahokake/
Disney's Magical Melody ~The Best of Alan Menken~
- アーティスト: ディズニー,ロビン・ウィリアムズ,トニー・ジェイ,ハイディ・モレンホイヤー,オール・フォー・ワン,ジュディ・キューン,ロジャー・バート,アラン・メンケン,ジョディ・ベンソン,サミュエル・E.ライト,アンジェラ・ランズベリー
- 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
- 発売日: 2008/03/05
- メディア: CD
マイティ・ハート/愛と絆 [映画:ま行]
「世界中があきらめても、彼女は愛する人を待ち続けた
生まれてくる新しい命と共に…」
パキスタンで取材中にテロリストに誘拐、殺害された
ジャーナリストの妻の手記を元にした作品。
実話。。。であるからなのか、ドキュメント的な作り方だからなのか、
淡々と、淡々と、物語が進んで行きます。
アンジーは、ホントにマリアンヌになりきってます。
ああいう方なんだろうし、たぶん普段のアンジーの思想にも
共通するものがあるんでしょうね。
所々に語られる宗教観にそんなことを感じでしまいます。
アリアンヌさんは、本当にすごい人だと思います。
私だったら、あんな風に立ち上がれないし、
あんな風に冷静にコメントすることも出来ないし。
彼女の思想、主張はとてもすばらしいことだし、
そうあってほしいし、そうあるべき、、と思います。心から。
でも、なんでしょう?この映画としての違和感、、というか。
世界観に入って行けない感じがありました。
制作側の思いが強すぎて、見ている方が置いてきぼりな印象です。
、、、って私だけ?
モンスターハウス(吹き替え版) [映画:ま行]
「食べられたくなければ、近づくな」
スピルバーグ&ゼメキスの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』コンビ。
さすがに安心のストーリー展開とエンタテイメント力。
何にも考えずに楽しめます☆
そして、あんなに顔が似てるにも関わらず、
おじいちゃんの声をあてた泉谷しげるの顔が一度も浮かばなかったのがスゴイ。
泉谷しげる、芸達者☆
登場人物は、ダメダメボーイズ2人組と、かわいい優等生女子。
やさしい両親と、ちょっとガンコな近所のおじいちゃん。
という、日本でいうなら「昭和の時代の下町物語」な設定に、
なんだか、懐かしさすら感じます。
モンスター化した「家」の謎解きと退治の物語なのですが、
ちびっ子たちの友情と冒険部分には、
「あぁ、古い家を探検したりしたよねぇ」と子供時代を思い出したりしつつ、
さらには、大人の愛の物語部分には、
「はぁ、、愛って時には切ない決断も必要よねぇ」と共感してみたり。
単なるモンスター退治のお話しではなかった所もよかった☆
個人的には、最初と最後にでてきた「三輪車の女の子」が、
めちゃめちゃかわいくてお気に入り♪
こーいうアトラクションみたいな映画は気楽でいいなぁ♪
マリー・アントワネット [映画:ま行]
「恋をした、朝まで遊んだ、全世界に見つめられながら。」
↑断然、こっちの海外版広告の方がカッコイイ☆
「キルスティンにマリーやらせるなんて、無茶するなぁ、、、」
と思った制作第一報。
でも、同時に見た衣装やセットの色彩に心臓を打ち抜かれて、
それから1年くらい、自分の作品もキャンディ・カラーに染まったほど。
映画の方は、これでもかっ!というぐらいのソフィア節炸裂☆
のっけからマリー・アントワネットの映画とは思えない音楽。
でも、ソフィアっぽくてにんまりしてしまいます。
場面が変わるたびに、衣装もセットも変わるので、
「うへぇーーー、かわいい☆」と思っているうちに、
ストーリーそっちのけになってしまったのが正直なところ、、、
でも、毎回ソフィアの映画は「写真集」みたいで、
ストーリーはあっても無いようなモノ。と思っているので、
個人的には、その空気を感じられば、それでヨシ☆です。
しかし、ホント彼女は「長くは続かない一瞬のキラキラ」を撮るのウマイ☆
少女時代だったり、青春だったり、朝帰りの空だったり、
そういうところにキュン☆ときます。
一人の人物を題材にした「映画」としては、
肝心の主人公に、まったく感情移入できないのですが、
彼女の孤独感や、ココロの移り変わりは感じることができました。
少女が最後は女王としての自覚をもつようになっていたしネ。
ちょっと見ただけで、この人の作品だ!とわかる監督がどれだけいるだろうか?
とも思うので、ソフィアには、自分の路線を突っ走って欲しい!と思います。
しかし、今回の映画パンフ、、、手を抜きすぎデス。。
ナゼ、あの紙? あのデザイン?
ミュンヘン [映画:ま行]
「いま、ひとりの父親が暗殺者となる」
映画製作の細かいコトは良くわかりませんが、
やっぱり、スピルバーグは凄いんだなぁ、、と思う。
全体に重厚で深みがあって、決して楽しい話では無いのだけれど、
途中で飽きる訳でもなく、ちゃんと最後まで観れて、観た後に何かが残る。
わたしの中に残ったものは「復讐は何も生まない」というコト。
この映画を観ていると、誰が被害者で、誰が加害者なのか良く分からなくなる。
「どっちが悪い」なんて、途中から良くわからなくなって、
最後には「やられたからやり返す」的な不毛な状態に陥っていく、、
それは演出で悪くて混乱する、、ということではなくて、
「復讐」とは、そういうモノだとおもうし、
監督は、どちらにも立たない中立のスタンスなんだろう。
実際に起こったことで、現在もなお続く問題を映画で描くのはムズカシイ、、
でも、監督はきちんと「映画」として表現している。
これって、なかなか出来ることではないように思う。
そして、印象的だったのは、たくさん出てきた食事のシーン。
「暗殺=死」、「食事=生」という対比。
主人公が一心不乱に料理をする姿は、
唯一、人間らしさを保とうと必死になっているように感じられて、切なかった。