ロフト. [映画:ら行]
ベルギー国民の10人に1人が見たというサスペンス映画☆
ベルギー映画はよく知らないけど、
ヨーロッパ系の映画にありがちな雰囲気が無くて、
とっても分かりやすい☆
これはハリウッドがリメイク権に食いつきそう。
もう食いついてるかも。
ちなみにタイトルの末尾に付いてる「.」は、
黒沢清監督の『ロフト』と区別するために付けたらしい。
微妙すぎて分かりにくくない???
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お話は「密室サスペンス」☆
場所はマンション最上階のロフト“妻に内緒の情事部屋”。
鍵を持つのは5人の男。
みんな友達&兄弟で、うまくやってたはずなのに、
血まみれの女性の死体が発見されるたことで、
5人の関係はギクシャクしていきます。。
みんな友達に言えない秘密が、1つや2つはあるんです☆
警察での尋問シーンから、
殺害現場でのシーン、過去の回想シーンと、
時間を前後しながら、ちょっとずつ真相が明らかになってきます。
事実が1つずつ明らかになるたびに
「あいつが犯人かも?」「もしやこいつか?」と
なかなか真相がみえなくて、ハラハラ☆ドキドキ。
わたしは最後まで結末は想像できなかった☆
登場人物の一人一人に、それぞれのドラマがあって、
その行動の源になっているのは
「性衝動」だったり「愛」だったりするので、
多少理解できない行動だったとしても
「ま、理屈じゃないからな〜」
という妙な納得感がある。
この設定は、ずるくてウマイ♪
そもそも人間の行動は、大人になればなるほど、
本音とタテマエ、駆け引きが増えて複雑になってくのかも。。
そういう意味でも「大人」な雰囲気の漂うサスペンス映画☆
単館上映で、ちょっと地味だけど、
こういうドンデン返し系のサスペンスは久しぶりに観たな〜。
行った事ないベルギーの街の雰囲気も味わえて、
けっこうイイかも☆
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【公式サイト】http://www.loft-m.jp/
原題:LOFT 監督:エリク・ヴァン・ローイ 脚本:バルト・デ・パウ
ケーン・デ・ボーウ/フィリップ・ペータース/ブルーノ・ヴァンデン・ブルーク
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☆「.」が付いてない方の「ロフト」はコレ
☆ベルギーの映画はこんなの↓未見
理想の彼氏 [映画:ら行]
『あなたは私の婿になる』
に引き続き、“年上女性と年下男子のラブコメディ♪”第2弾?
今回は☆
バツイチ+2人の子持ちの40歳女性サンディ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と
24歳のフリーター男子アラム(ジャスティン・バーサ)のお話。
やっぱり舞台はN.Y☆
アパートの下のカフェで働くアラムにベビーシッターを頼んだことから、
二人はだんだんと惹かれ合っていきます♪
キャサリン演じるサンディは、
郊外で普通の主婦をしていたとは思えないほどキレイでおしゃれですね〜☆
人生を前向きに進もうとしてる感じとか、
こんな40歳ならバツイチでも子持ちでも惹かれてしまうかも♪
…という説得力は十分☆
対する草食男子アランも、ちょっと頼りないものの、
誠実で、やさしい性格にキュン♪とくるのも納得☆
サンディの2人の子供は、おしゃまサンで、とってもかわいい〜♪
この2人がいるから、なんかほのぼのして、あたたかい雰囲気が
幸せ〜♪って感じで、なんだか普通のカップルにも見えてきます。
細かいところに、笑いどころが散りばめられてて、
コメディとしても、それなりに楽しめる感じ☆
途中、サンディが下した決断は
「こんなカップルは、常識的にやっぱりオカシイ」という
社会常識に屈した感じの描き方になってたけど、
私はサンディがアラム自身の人生を考えた
大人の女の判断だったような気がします。
物語の展開は王道で、そんないろいろがありつつも、
やっぱり最後はハッピーエンド♪
ラストは、ぬるくて、なかば強引な感じがするけれど、
ラブコメだし☆これはこれで全然OK!
キャサリンは、豪華出演者で話題のミュージカル映画
『ナイン』を降板してこの映画に出たのかな?
『シカゴ』のロブ・マーシャル監督作品だし、こちらの出演も観たかったけど、、、
実生活では、真逆の超年上男性マイケル・ダグラスと結婚してるだけに、
“年の差カップル”がテーマのこの映画の方がよかったのかなぁ〜?
【公式サイト】http://wwws.warnerbros.co.jp/therebound/
☆こういうキャサリンも、また観たいな〜。
リダクテッド 真実の価値 [映画:ら行]
ブライアン・デ・パルマは怒っている。
イラクで起こった戦争に対するマスメディアのありかた。
報道は真実を伝えていたのか? 戦争で何が起こっていたのか?
私たちは戦争の何を知っているのだろうか?
デ・パルマの怒りがヒシヒシと伝わってくる。
「映像こそが戦争を止める」
という信念のもとに製作されたというこの作品。
その行動は、本当に賞賛に値する☆
イラク・サマラの米軍駐屯地。
兵士の一人が仲間たちにカメラを向けて日常を撮影している…。
という設定の、フィクショナル・ドキュメンタリー。
その他にも、YouTube、アラブのTV、監視カメラなど、
あらゆる映像をつなぎ合わせて、様々な角度からイラクで起こった事件を
追って行く構成になっています。
ドキュメンタリー風であるけれど、映像はすべてフェイク。
だからなのか、あまりガツンと響く物が無かった。
言いたいこともわかる。戦争の現場の狂気も伝わる。
でも、どこかフェイク感が漂い、冷めた目線で観てしまった。。
ラストに実際の惨劇の写真がいくつか映像で流れる。
これらの写真が写し出された1分の方が、本編の90分よりもずっしりと重みがあった。
とは言え、写真には目線が入り「リダクテッド=編集済み」されていて、
これは「事実は編集される」という皮肉なのかな、、とも思う。
昔観た映画に
「政治家は真実の様に嘘を語り、小説家は嘘で真実を語る」
というようなセリフがあって、なるほど!と思ったことがある。
映画も嘘で真実を語るもの。
あえてドキュメント風にしなくても、フィクションで作られた映像、ストーリーの方が
伝えたいことがダイレクトに伝わることもあると思う。
デ・パルマはそれが出来るだけの技術とセンスがある人だと思うのだけど、、、。
写真が写し出された後のエンドロールは無音。
ただ淡々と流れる文字と、会場の静けさ、かすかに聞こえる誰かのすすり泣き。。
余韻が残る、イイ終わり方だったな。。
【公式サイト】http://www.cinemacafe.net/official/redacted/
☆ベトナム戦争の集団強姦殺人を描いたデ・パルマ作品。
同じことが繰り返されていることが悲しい、、、
レッドクリフ Part I [映画:ら行]
『M:I-2』のジョン・ウー監督が撮った「三国志」。
さすが!の劇画タッチ☆決めポーズ満載☆
そして今回も白い鳩が飛んでますw
いつもより長く、遠くへ、、ww
「三国志」は全然知らない物語、、、
元々歴史は苦手だし、中国の名前って難しいし、
なんだか登場人物多そうだし。。
そんな女子の気持ちを汲んだかのように、
冒頭に日本語で☆図解で☆これまでの物語の説明が入ります!
しかも!物語の途中でも
時々役者の下に役名と所属する軍の名前のテロップが入る、、
という、丁寧さ☆
二部作の余裕なのか、物語もいろいろなエピソードが入り、
たっぷりと進んで行くので、置いてきぼりになることはありません☆
一見、余計に思えるシーンでも登場人物の多さからみれば
それぞれのキャラクターを理解するのに必要な気もして、
だいたいのキャラの区別、役割が理解できるようになります。
悪役の曹操や、関羽・張飛・趙雲の3武将のキャラの違いもハッキリ☆
特に金城武演じる孔明のひょうひょうとした感じがイイ!
周瑜役のトニーレオンも相変わらずカッコイイ!
でもやっぱり私は張飛がお気に入り♪
、、と、三国志はこうやって好きになっていくんだろうな。。
物語も、女性一人を巡る戦い、、、という
一見「えっ!そんな理由!?」な感じですが、
難しい政治的なごちゃごちゃでは無い分、シンプルで分かりやすい☆
やっぱり中国は大きいな〜。と思わせるスケール感のある映像と、
人海戦術の戦いっぷりには、北京オリンピックの開会式を彷彿させ、
中国すごいな、、と素直に感心。。
レッドクリフは「三国志」のクライマックス「赤壁の戦い」を描いたものですが、
Part Iは、その手前で終了。
いいところで終わるあたりも、憎い感じです。
悔しいけど、続きを観たいなぁ〜☆
【公式サイト】http://redcliff.jp/index.html
☆この機会に漫画も読破してみようかな、、、
ラストキング・オブ・スコットランド [映画:ら行]
「何よりも恐ろしいのは、人間の本性」
かつてのウガンダの独裁者、アミン大統領政権の内幕に迫った作品、、、
かと思いきや、見終わった後はちょっと違う印象。
この映画は、もっと深いテーマがあるような気がしました。
アミンが大統領に就任した時にやってきたスコットランドの青年医師ニコラス。
彼の視線を通して、アミンが独裁者へと変貌していく様子を描いています。
ニコラスは、無知で野心家でプライドだけは高い青年。
アミンに気に入られ側近として、ウガンダの深いところまで関わっていきます。
この、なんとも無責任で傲慢な青年は、
広い家と食事の好待遇につられて村の診療所をあっさり見捨てたり、
大統領の診察を優先させる替わりに、車や女性を与えられたり、
大統領の代理を任命されて建築物の入札先を決める権限を持ったり、
一応、大統領に抗議はするけど、拒否されるとすぐ引き下がったり、
国がヤバくなると保身に走り、あげく逃げ出したり、、、
、、、と。なんだかコレ何かに似てる気が、、、
わたしには、このニコラスの姿が途上国を食い物にする「先進国」の姿と重なります。
国の変化に気づきつつも見ないフリ、、
アミンの悪行も、他人から写真数枚で知らされる始末。
初めてリアルになるのは、自分にその災難がふりかかったとき、、、
なんだかコレは、「先進国」のことでもあり
「私自身」のことでも有るように感じました。
この映画、アミン大統領のことをベースにしつつも、途上国に関わる先進国と、
その国民である私たちを痛烈に批判しているように感じました。
そう思えば、アミンの悪行の描写が以外に少なかったのも納得。
とはいえ、描写が少なくてもアミンがどういう人物で恐ろしかったか、、
人はいかにして独裁者となっていくのか、、
というところは、フォレスト・ウィッテカーの演技で十分表現されていました。
やはり、彼の演技無くしては、この映画は成立してなかったように思います。
しかし最近、映画でいろいろな歴史を知ることが多いです。
(単にわたしの勉強不足ですが、、、)
ウガンダの歴史についても、もう少し詳しく知りたいなぁと思いました☆
ラキーナンバー7 [映画:ら行]
「すべては<幸運のラッキーナンバー7>から始まる」
「スナッチ」のパクリぎりぎり?なポスターと、
「オーシャンズ11」?な香り漂う豪華出演者に、
“スカッと観れる、かっこいいクライム・ムービー”か?
と思わせるこの映画。
たしかに、不幸続きで人違いまでされて、
とんでもないコトに主人公が巻き込まれていくあたりとか、
ちょっと間抜けな子分とか、キュートで明るい女の子とか、
「後で繋がるんだろうなー」な、思い出話とか、
前半は期待通りの展開にワクワク☆
でも、後半のナゾが説けていくあたりから、
どつーーーーん☆と重くなってビックリ!
えぇっ! そういう理由!?
もっと、軽い感じを想像していただけに、
この展開にはかなりヘコまされました。。。
しかも、主人公の表情まで悲痛な感じになって、、、
あぁ、、いたたまれない。。
最後のちょっと温かいやりとりに救われましたが、
なんだか、想像していたのとかなり違っていたので、
どうにも不完全燃焼。。。
ストーリーは、すごく良くできていたし、
「おぉ!そう繋がるのか!!」と面白かったのになぁ。。
出演者も豪華な割には、なんとなくそれぞれが活きてない感じもして、
ちょっと残念☆
でも、ひさびさルーシー・リューがカワイイ役でよかったわぁ♪
リトル・ミス・サンシャイン [映画:ら行]
「夢と希望を乗せて、黄色いバスは行く」
映画祭で見逃した、すごく見たかった映画。
ブラッド・ピットの様なイケメンも、
スカーレット・ヨハンソンの様な美女も出てきませんが、
登場人物すべてが、個性的で魅力的☆
末娘オリーヴのミスコン出場の為に、
バラバラな家族がカルフォルニアを目指すロードムービー。
そんな感じの設定の映画は他にも有るような気もするけれど、
この映画がこんなにステキなのは、やっぱり登場人物のキャラと、
ストーリー展開が、自然で違和感が無かったからカモ。
映画を観た感想を、坂本美雨さんは一言で「味方」だと表現していました。
家族それぞれ、個性もあるし、理解し難い部分もあるけど、
でも、最後にはやっぱり味方になってあげる家族の姿がイイと。
私も同感☆
オリーヴの踊りはどーかと思うし理解できないけど、
彼女ががんばってるなら、わたしも絶対応援する。
この家族は、一瞬団結するけど、やっぱりバラバラなのがオモシロイ。
ココで、ヘンに理解しあってまとまった家族になっちゃったら、
なにか嘘臭い感じがしたと思うけど、そうじゃないのが逆にリアル。
いざというとき団結できれば、それでイイ。
それを知ってるから、みんな自由に好きなコトができるんだ。
いいじゃん☆この家族。
久々に、温かいイイ映画。
この映画に賞をあげた審査員はスバラシイ☆