ラストキング・オブ・スコットランド [映画:ら行]
「何よりも恐ろしいのは、人間の本性」
かつてのウガンダの独裁者、アミン大統領政権の内幕に迫った作品、、、
かと思いきや、見終わった後はちょっと違う印象。
この映画は、もっと深いテーマがあるような気がしました。
アミンが大統領に就任した時にやってきたスコットランドの青年医師ニコラス。
彼の視線を通して、アミンが独裁者へと変貌していく様子を描いています。
ニコラスは、無知で野心家でプライドだけは高い青年。
アミンに気に入られ側近として、ウガンダの深いところまで関わっていきます。
この、なんとも無責任で傲慢な青年は、
広い家と食事の好待遇につられて村の診療所をあっさり見捨てたり、
大統領の診察を優先させる替わりに、車や女性を与えられたり、
大統領の代理を任命されて建築物の入札先を決める権限を持ったり、
一応、大統領に抗議はするけど、拒否されるとすぐ引き下がったり、
国がヤバくなると保身に走り、あげく逃げ出したり、、、
、、、と。なんだかコレ何かに似てる気が、、、
わたしには、このニコラスの姿が途上国を食い物にする「先進国」の姿と重なります。
国の変化に気づきつつも見ないフリ、、
アミンの悪行も、他人から写真数枚で知らされる始末。
初めてリアルになるのは、自分にその災難がふりかかったとき、、、
なんだかコレは、「先進国」のことでもあり
「私自身」のことでも有るように感じました。
この映画、アミン大統領のことをベースにしつつも、途上国に関わる先進国と、
その国民である私たちを痛烈に批判しているように感じました。
そう思えば、アミンの悪行の描写が以外に少なかったのも納得。
とはいえ、描写が少なくてもアミンがどういう人物で恐ろしかったか、、
人はいかにして独裁者となっていくのか、、
というところは、フォレスト・ウィッテカーの演技で十分表現されていました。
やはり、彼の演技無くしては、この映画は成立してなかったように思います。
しかし最近、映画でいろいろな歴史を知ることが多いです。
(単にわたしの勉強不足ですが、、、)
ウガンダの歴史についても、もう少し詳しく知りたいなぁと思いました☆
私も観ました。確かにこの映画は先進国の批判とも取れますね。でもあまりにもアフリカの抱える問題の闇が深すぎるので、私だったら関わるのに躊躇してしまいます。例え軽いノリでもアフリカに赴くことは勇気のいることなので、スコットランド人の医師のことを非難する気には私は全然なれませんでした。それだけ重い問題が山積しすぎてますね。
by naonao (2007-04-10 21:37)
こんばんは。
フォレスト・ウィッテカーの演技は凄かったですね!
笑顔でうまいことを言っている時も、怒ったり残虐なことをする時も
いつでも心に嘘は無いように見えるのには驚きました。
まるで二重人格のようにころころと変わる表情が怖かったです~
by non_0101 (2007-04-12 20:57)
naonaoさん
コメント&ナイスありがとうございます(^-^)
ほんと、アフリカは問題をたくさん抱えていますね、、
わたしも、この医師のように知らないコトが多すぎるので、
その問題について調べてみたい気持ちになりました。
最近、そう思える映画が多いです。
by ジジョ (2007-04-13 11:59)
non_0101 さん
コメント&ナイスありがとうございます(^-^)
フォレストは「心優しい人」なイメージだったのに、
すごくコワイ人物像でびっくりしました☆
あの演技はすごかったですよねー。
by ジジョ (2007-04-13 12:02)