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フローズン・リバー [映画:は行]

ニューヨーク州再北部 2人の母親は家族のために
凍てついたセントローレンス川を渡り、犯罪に手を染めていく…


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今年観た中で最高にエキサイティングで
息をのむほどすばらしい 
クエンティン・タランティーノ

08年のサンダンス映画祭でグランプリをとった作品で、
09年のアカデミー賞では、主演女優賞、脚本賞ノミネート☆
でも、有名俳優もでてないし…ってことで日本未公開になりかけた作品。
やっと!日本公開になりました☆

配給会社が及び腰になる中で
「良質な作品が日本だけ未公開という状況が忍びなかった」
配給は専門外の映画館「シネマライズ」が名乗りを上げたらしい。

かっこいいな〜。シネマライズ☆

その英断を讃える意味でも、ちゃんと映画館で観たい映画♪

たしかに地味だけど、人種、移民、貧困…と、
アメリカの暗部をさらしつつ、そこで懸命に生きる人間を描いた
とってもイイ作品でした☆

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舞台はニューヨーク州のカナダ国境の街。
トレイラーハウスで2人の子供を育てる白人女性レイと、
子供を義母に奪われたモホーク族の女性ライラ
なりゆきで不法入国者を運ぶ犯罪に手を染めるていきます。

100209_2.jpg

いつ氷が割れるか分からない川を車で渡るドキドキ感や
いつ犯罪がバレるかわからないハラハラ感、
零下30度にもなる街の、真っ白な風景と凍てつく様な寒さが、
2人の状況と重なって、痛く切ない空気が漂います。。

人種が違う事で反発しあう2人の共通点は、
貧困であること、子供を愛する母親であること。

その母性が、人間愛に昇華していくラストは感動的♪

凍り付いた川も、春がくれば溶けて流れて行くみたいに、
温かい日差しがさす様な、希望を感じるステキな終わり方でした☆

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知らないアメリカが描かれてて、とっても興味を引かれたので
映画を観た後にいろいろ調べてみました♪

【モホーク族】
100209_3.jpg

映画に登場するライラはモホーク族。
北アメリカの先住民族で、彼らの土地は保留地として自治が認められてるので
アメリカの警察権は及ばない。
映画に登場したのはセント・レジス/アクウェサスネ保留地。
とは言っても、もともとは彼らの土地だったんだろうね。。。
アメリカ独立戦争でイギリス軍に協力したモホーク族は、戦争に負けたので
土地を追われてしまったみたい。

その後、カナダとアメリカの国境が引かれてしまったので、
セントローレンス川を挟んで彼らの保有地が存在することになったみたい。

先住民にとっては、勝手に引かれた境界線だから
国境を渡るのを躊躇するレイにライラは「川を渡って何が悪い!」みたいな
発言をしてたのね〜。

ニューヨークは今でも法律上は、
土地をモホークから借りてることになってるのかな?
あの永久租借権ってヤツで。サギみたいな値段よね。。。
調べたけど、細かい事はわからなかったな〜。今はどうなんだろ?

いろいろ冷遇しているかわりに、、ということなのか?
アメリカの賭博場は先住民に経営権があるらしく、それが貴重な収入源。
映画のビンゴ会場もモホーク族の経営だったしね。。

ちなみに、ヘアスタイルのモヒカン刈りは“モホーク刈り”のことで、
先住民族の戦士の髪型らしい。へ〜〜。

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【トレーラーハウス】
100209_4.jpg

アメリカ映画でよく登場するトレーラーハウス。
この映画に登場する人たちが暮らすのも、これです。

貧乏の象徴みたいに描かれてることが多いけど、
その、どうにもならない貧困具合はムーア監督の『キャピタリズム』で観た
家を奪われる貧困層の、さらに下をいく悲惨さ。

トレーラーは40万円ぐらいで買えるみたいで、
映画でも夫が購入資金約4000ドルを持って逃げたって言ってたね。たしか。

新しい家(トレーラー)は、トラックに運ばれてやってきます。
日本では見ない光景だから、最初この場面の意味がわからなかった、、^^;

レイが新しく買おうとしてたのは、今よりちょっと良いトレーラー、、、ってT_T
一戸建てをもってるって、実はすごいことなのかも。。

ハリウッド映画では描かれないアメリカは、すごく興味深かった☆
先住民のこととかも含めて、もっといろいろ調べてみよ〜っと♪

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【公式サイト】http://www.astaire.co.jp/frozenriver/
原題:FROZEN RIVER 監督:コートニー・ハント 脚本:コートニー・ハント
音楽:ピーター・ゴラブ、シャザード・イズマイリー
メリッサ・レオ/ミスティ・アッパム/チャーリー・マクダーモット/マーク・ブーン・ジュニア

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☆プレスシートにも文章を寄せてる阿部 珠理の本

アメリカ先住民 ―民族再生にむけて―

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  • 作者: 阿部 珠理
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/06/01
  • メディア: 単行本


☆この本も気になる

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

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  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 新書



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コメント 28

mig

こんにちはジジョさん、いつもありがとう☆

>ヘアスタイルのモヒカン刈りは“モホーク刈り”のことで、
先住民族の戦士の髪型らしい

そうなんだ!へぇーですね、ほんと。

このお話、シネマライズが買い付けたって凄いです、
確かにいいお話ではあるんだけど、
買い付けてもそこまで興行みこめないだろうから
どこも踏み切らなかった配給会社。
言われてる程衝撃というか、前にこういうのがあったなぁって印象が正直あってそこまでじゃなかったんだけど
それでも劇場公開させる!って意欲が素晴らしいです〜。

ガエル&ディエゴ

感想待ってまーす♪


by mig (2010-02-10 11:14) 

DSilberling

素晴らしい解説ありがとうございました。
by DSilberling (2010-02-10 12:22) 

ジジョ

migさん

こちらこそ、コメントありがとうございます☆
この映画、私は好きだけど興行キツそうなのは予想できますね^^;
だから余計にシネマライズの心意気は、ほんとリスペクト!!
なんかシネマライズが好きになりましたw

ガエル&ディエゴw
大好きなんで、ウキウキで感想書きたいと思います☆
by ジジョ (2010-02-11 02:43) 

ジジョ

DSilberlingさん

ごぶさたしてます〜☆
ご訪問&コメントありがとうございました♪
解説ってほどでもないですが^^;
いろいろ調べたものを備忘録的にのせてみました。
背景がわかると、よりおもしろいですね〜☆
by ジジョ (2010-02-11 02:44) 

dai

はじめまして、こんばんは☆
TB&コメントありがとうございました♪

>ハリウッド映画では描かれないアメリカは、すごく興味深かった

本当にそうですね。日本でも貧富の差はありますが、アメリカともなると余計で、さらには人種的な問題などの問題も絡んで余計に複雑ですよね。こういうことは映画でもないとなかなか知る機会がないですよね。

今後とも宜しくお願いします☆
by dai (2010-02-11 04:22) 

aneurysm

タランティーノ絶賛した映画という事で
見たかったのです。
なんとかして映画館に行きます(笑)
by aneurysm (2010-02-11 06:52) 

コッスン

先々週くらいに、テレビでガンガンやってるの見て
見たいなーとも思ったけど
シネマライズだけなんだよね。
一応モバイル割引券はなれないケイタイで
ブックマークしたんですが。
行けたら行こう。

見たい作品を輸入してくれえる会社って
感動ですね。感謝。
そして、買っちゃってなんとかしなきゃ
という必死さもメディアから通じるし
同情します。
最終的にdvdが売れれば採算がとれるんでしょうか。
疎いからしらなーい。


by コッスン (2010-02-11 15:14) 

ジジョ

daiさん

こんにちは☆
こちらこそ、ご訪問ありがとうございます♪

貧困や人種間の問題は先進国のアメリカでも深刻ですね…。
映画では華やかなアメリカが描かれる事が多いので、
とても勉強になったし、いろいろと考えさせられました。。

またdaiさんのブログにもおじゃまさせていただきますね☆
by ジジョ (2010-02-12 01:41) 

ジジョ

aneurysmさん

タランティーノの作風とは全然違う作品ですが、
なんとなく好きな気持ちがわかる気もします。
このシネマライズの心意気に1票投じる意味でも、
ぜひ劇場でご鑑賞をw
by ジジョ (2010-02-12 01:44) 

ジジョ

コッスンさん

おー☆ TVでもCMしてるんですね〜。
がんばってるな〜。
個人的には「観てよかった」と思える作品なので、
なんとか興行的にも成功してほしいな。。

ちなみにシネマライズは、日曜の最終回と火曜日が
割引デーで1,000円ですよ。ぜひ☆
by ジジョ (2010-02-12 01:47) 

コッスン

私の休みは不定期で次は・・・・・
火曜じゃないよー。(笑)
休みに行けたらいこう。
テレビはシネ通と、ショウビズカウントダウンだったと思う。
明らかに映画情報を知りたい人しか見ない番組だと思うので
(偶然見る人もいるとは思いますが)
結構、いける距離に住んでる人は行くんじゃないですか?
トレーラーハウスっていうと
エイトマイル思いだすね。
ちょっとエロ

by コッスン (2010-02-12 16:31) 

東京コンビニエンス通信

はぁー。もう御覧なったんですね。
先日、沢木耕太郎が書いていたので、読んでみたら、
今の時代の感覚だな、と思い
見てみたいと思った作品です。

そうですか、これはやはり
ぜひ
足を運びたいと思います。
by 東京コンビニエンス通信 (2010-02-12 18:14) 

ジジョ

コッスンさん

そっか〜^^; じゃお休みの日にw
とか言って、好みの作品じゃなかったらゴメンナサイ^^
わたし全然TV観ないんですけど、
ショウビズってまだやってるんですね〜☆なんかうれしい♪
トレイラーは、不謹慎かもしれないけど
ちょっと住んでみたいです^^;
だって、今の私の家より全然広いんですヨ!
しかも40万円ぐらいで買えるなんて、、、
by ジジョ (2010-02-13 04:54) 

ジジョ

東京コンビニエンス通信さん

沢木耕太郎さん。新聞のコラム?で紹介してたみたいですね☆
作品的には08年なんですけど、今はどうなっているのか、、、
あまり変わってないかもしれないけど。。。
ぜひご覧になって、感想教えてくださいね〜☆
by ジジョ (2010-02-13 04:57) 

non_0101

こんにちは。
私もこの作品でモホーク族のことを初めて知りました。
背景を知ってから観ると、より深く考えさせられる作品かも知れませんね。
母親が持つ深い愛と絆、そしてあの雪に覆われた
寂れた雰囲気が何とも切なかったです☆
by non_0101 (2010-02-13 11:04) 

コッスン

私の知り合いがトレラーハウスの販売やってましたよ。
不謹慎じゃないですよ。
家ですよ。家。

10年くらい前だけど・・・
最近会ってないから今もやってるか知らない。
日本で売ってるのははもっと高いと思うけどなー。
車の機能がない
家だけのやつだよね。
当時でも経営は厳しそうでしたよ。


by コッスン (2010-02-13 14:46) 

ジジョ

non_0101さん

また映画でひとつ勉強になりました^^
いろいろな国で状況は違えど、母の愛は共通ですね〜☆
しかし、本当に寒そうだったな、、、^^;
by ジジョ (2010-02-15 05:19) 

ジジョ

コッスンさん

映画観るとトレーラーに憧れるとかって、
ちょっと言いずらい感じなんですヨ、、、^^;
「好きで住んでるわけじゃない!」って怒られそうでw
日本でも売ってるんですね〜。
40万はアメリカ価格なんでしょうね☆
日本だと高くなるなら、普通に家を買ったほうがいいか。。
たしかに、あんまり売れなさそうですね、、、
by ジジョ (2010-02-15 05:25) 

クリス

勉強になりました。
もともとは、モホークの土地ですもんね。
イギリスに味方した気持ちがわかります。
日本もそうですが、追いやられてしまった先住民との共存について、
再考するべきことがいっぱいある気がします。
by クリス (2010-02-21 16:28) 

ジジョ

クリスさん

ほんと、いろいろ勉強になる映画でしたね〜。
「勝手に引かれた国境線」に反発する先住民は
世界各地にありますよね、、日本もしかり。。。
もう少しその辺も勉強してみたくなりました☆
by ジジョ (2010-02-22 00:28) 

ちょいとおまえ

イイ映画でした。
子供を愛する母親が取った決断だからこそ、希望を感じさせる結末に繋がったのだろうと思いました。
by ちょいとおまえ (2010-03-03 18:22) 

ジジョ

ちょいとおまえさん

「母親」っていうのがポイントですね☆
そこが全ての原動力になっていたし、、、
いいラストでしたね〜♪
by ジジョ (2010-03-05 01:46) 

hash

なかなか興味深い内容の作品でした。

>トレーラーハウス
トラックで運ばれてくるのには驚きました。
上下水道はどうなっているのだろうと気になります。
by hash (2010-03-17 01:19) 

ジジョ

hashさん

なんか水道管が凍ってましたが、、、どうなんてるんだろ?
あと電気とかトイレとか。。。
トレーラーハウスは謎がいっぱいです。。^^;
by ジジョ (2010-03-18 00:35) 

丹下段平

ホントに仰る通りで、今よりちょっと良いトレーラー欲しさにってところがより侘しい感じでした。

全く話は変わりますが、北海道には貨車を置いただけの駅舎ってのが結構あるのですが、雪の中に佇む姿はトレーラーハウスにも似た侘しさがあります。
by 丹下段平 (2010-04-01 22:55) 

バラサ☆バラサ

儲けた金で買い付けに行ったトレーラーハウスは、ジャグジー付きとか言っていました。どんな設備なんだと思いました。半分ぐらいの金額を占めるのか、どんなチンケなものなのか。

トレーラーハウスというと、「リーサル・ウェポン」を思い出します。時の人、メル・ギブソンが、犬と暮らしていた。

後、パートリッジ・ファミリー。バスの改造車だったかもしれませんが。古すぎて良く覚えていません。
by バラサ☆バラサ (2010-07-12 19:58) 

ジジョ

丹下段平さん

すっかりコメントしてなくてすいません!
北海道にはそんな景色があるんですね〜。
貨車を置いただけの駅舎、、どんなだろ???
ちょっと見てみたいですね〜。
by ジジョ (2010-07-13 09:23) 

ジジョ

バラサ☆バラサさん

ジャグジー付きでしたか^^;
トレーラーには不要な機能な気がしますね。
結構アメリカ映画にはトレーラーでてきますよね。
それだけ一般的ってことなのかな〜。
by ジジョ (2010-07-13 09:26) 

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