『カラシニコフ』 松本 仁一 [本]
こちらも、映画『ブラッド・ダイヤモンド』で気になった
アフリカの紛争のことが知りたくて読み始めた本。
著者はアフリカ各地を駐在員として過ごした朝日新聞の記者。
本に収められた文章は、朝日新聞にコラムとして掲載されていたものです。
新聞コラムだからなのか、文章がめちゃくちゃ分かりやすい☆
アフリカも紛争も銃もよく分からない私でさえ理解できて、
ぐいぐいと読ませてしまう文章力には脱帽です。
ちなみに題名になっている「カラシニコフ」とは、
「AK47」と呼ばれる自動小銃のこと。
内戦やクーデターには必ず登場する「悪魔の銃」と呼ばれるものです。
1冊目は、AK47を通して、それが使われた現場の話や使われる理由、
そして驚くことに、開発者のカラシニコフ氏へのインタビューも掲載してあります。
タイトルは銃の名前ですが、決して銃に関する本ではなく、
アフリカの現状を浮き彫りにし、結果的には「国家」とはなんなのか?
というテーマまで行き着きます。
その流れが、自然で分かりやすく「あぁ、、こうして国作りは失敗するのか、、」と
突きつけられる現状に絶望的な気持ちにもなりますが、
最終章のソマリランド共和国のエピソードは希望の光を感じるものでした。
2冊目は、前作のアフリカからすこし広げて南米、中東といった地域のルポ。
銃が運ばれるルートや、その出所には大国の影がちらついて、
こちらも、とても読みごたえのある内容でした。
密造AKの村や、アフガンの若者の話など、ニュースだけでは分からない、
現場の空気を感じます。
現場に赴き、自分の目で見て、話して、感じたことを
歴史をふまえ、未来を見つめて綴った、良質なルポルタージュでした。
はじめまして!
子ともがAKを持つ姿、恐ろしいものがありますね。
おもちゃ代わりにしていると言う話も聞きますし。
ラストキング・オブ・スコットランドの記事も併せて読ませていただきました。
by silencer169 (2007-05-08 02:32)
silencer169さん
コメント&ナイスありがとうございます(^-^)
AKが生活の中に普通にあるんですよね。
「子供でも扱える銃」というのがいろいろな問題を引き起こす原因にもなっていて、カラシニコフ氏の思いとは違う方向に世の中が進んでしまっていて、複雑な気持ちになりました、、
by ジジョ (2007-05-10 00:32)