SSブログ

瞳の奥の秘密 [映画:は行]

ブエノスアイレスを震撼させた殺人事件から25年ー。
未解決の謎を小説にする男に、封印された愛が蘇る。


100929_1.jpg


第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品で、
スペイン映画祭で見逃したので観たいと思ってた作品☆

とある殺人事件を巡るサスペンスドラマではあるんですが、
驚きの展開も含めて心に残る作品でした。
アルゼンチン映画、あなどれません!


100929_2.jpg

物語は2000年のブエノスアイレスが舞台。
刑事裁判所を定年退職したベンハミンが
小説を書く為に25年前に起こった殺人事件を振り返ることで
事件の裏側に潜む謎に迫って行いきます。

えっ!?っていう展開もあり、サスペンスとしても楽しめるんですが、
やっぱりこれは愛を失った男の物語なんですね〜。

本当の愛を伝えることができなかったベンハミンも
妻を殺されたリカルドも、失った愛から逃れられない男たち。。

25年という長い時間をかけて、失った部分をどう埋めて行くのか。

「忘れることだ」とベンハミンを諭すリカルドの
本当の心の中が見えたとき、あまりの切なさに絶句します。。

どんなに年月をかけても忘れることができない。

ということが、幸せの方向に作用したベンハミンと
不幸な方向に作用したリカルドの対比が「人生紙一重」
という感じがして、なんとも言えない余韻の残る映画でした。


100929_3.jpg

役者たちはアルゼンチンでは有名な方々らしいですが、
なかなか味のある人が多いですね〜。

パブロを演じた人は『ルドandクルシ』のスカウト役の人だし!

ちなみに回想シーンで25年前の様子を描く場面も多いのですが、
過去も現在も同じ役者さんが演じています☆

もちろん年齢の差をつける為に、老けメイクとかしてるんですが、
これが、ぜんぜん違和感ないんですよね〜。

しかも、メイクでごまかしてる感じじゃなくて、
その佇まいや表情や仕草とかが、本当に25年の時の経過を感じられて、
若い時の場面とは違った、人生を重ねた人の重みみたいなものがあって
これは役者の演技力なのかしら? そういうところも感心してしまった。

監督はアメリカのTVドラマでも活躍されてるみたいですね〜。
「Dr.House」「LAW & ORDER」とか、好きなドラマだわ♪
どのエピソードを担当したんだろう? 今度観てみよーーっと。


100929_4.jpg

過去の回想シーンは1975年なので、
アルゼンチンもいろいろあった時だと思うんですが、
そういう歴史的背景も、ちょいちょい物語と絡んできて、
アルゼンチンの歴史をもうちょっと知りたくなったりします。

あんまりアルゼンチンって知らない国だから、
風景とか、生活スタイルとかの面でも新鮮でした☆

特にあの空撮から降りてくるサッカースタジアムの場面は
物語の展開とあいまって、ものすごい熱気を感じるシーンで印象的。

住む場所や、仕事や容姿は変えられるけど、
ただ一つ、決して変えられないのは“情熱”っていうのもよかったな。

打てない文字があるタイプライターと走り書きのメモ、、とか
ちょっとした小技も効いていて小規模な公開がもったいない映画でした。
おすすめです♪


------------------------------------------------------------------------
【公式サイト】http://www.hitomi-himitsu.jp/
原題:EL SECRETO DE SUS OJOS/THE SECRET IN THEIR EYES 監督:フアン・ホセ・カンパネラ
脚本:エドゥアルド・サチェリ、フアン・ホセ・カンパネラ 原作:エドゥアルド・サチェリ
製作総指揮:ヘラルド・エレーロ、バネッサ・ラゴーネ 音楽:フェデリコ・フシド
リカルド・ダリン/ソレダ・ビジャミル/パブロ・ラゴ/ハビエル・ゴディーノ

------------------------------------------------------------------------

☆音楽も良かったですね♪

Secret in Their Eyes  - O.S.T.

Secret in Their Eyes - O.S.T.

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Milan Records
  • 発売日: 2010/05/25
  • メディア: CD



nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 3

コメント 4

hash

なかなか興味深い作品でした。
よく知らない国の映画を観ると、いろいろと勉強になりますね。
by hash (2010-10-03 22:21) 

ジジョ

hashさん

ほんと映画を観ると、その国に暮らす人の生活が垣間みれて、
おもしろいですよね〜。
アルゼンチンも、なかなか興味深い国ですね!
by ジジョ (2010-10-05 20:03) 

たんたんたぬき

”TEMO”(恐い)というメモに、壊れて打てなかったタイプライターで「A」を書き足したら”TE AMO”(I LOVE YOU)に変わったというのが、スペイン語に堪能な方の解説です。粋ですね。
名画座で必ずもう一度見ます。
by たんたんたぬき (2010-11-07 13:51) 

ジジョ

たんたんたぬきさん

「恐い」と「愛」が1文字違いっていうのも
おもしろいですよね〜。
濃い〜愛がアルゼンチンらしい良い映画でしたね☆
わたしももう一度観たいです♪
by ジジョ (2010-11-27 14:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。