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八日目の蝉 [映画:や行]

優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。

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角田光代原作のベストセラー小説の映画化です☆
小説は読んだ事ないし、なんか重そうな雰囲気だし^^;

でもこの映画、だいぶ前に試写会で見せていただきました☆

内容的にも複雑な思いが残る映画だし、
なんとなく感想を書ける状態でもなくて放置してましたが、
公開後、結構評判よさそうですね〜。

未だ、なんと言えばよいのかわからないのですが、、
いろんな意味で考えさせられる映画だったと思います☆


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物語は不倫の末にその子をおろし子供が産めなくなった女性が、
本妻の子供を誘拐し、自分の子として育てる、、という逃亡劇と、
誘拐された子供が大人になり、自分の過去と向き合う、、という自分探しが
リンクしながら進んでいきます。

とにかく、役者さんの演技がよかった☆

愛人役に永作博美??と思ったけど、これがすごくよかったし、
井上真央もこの役は、すごく合ってました。

謎のジャーナリスト?の小池栄子さんもすごかったーー。
こういう人、いる!し、ハマってた☆

もちろん子供を奪われた森口瑤子もよかったし、
とにかく女性の映画ってかんじでした!


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見終わったあとは、なんとも言えない思いが残りますね、、
もちろん誘拐した女性は大罪を犯した訳だけれど、
彼女が逃亡の課程で「母」となっていく姿は、
普通の人が母となっていくそれと同じで、
二人の姿があまりにも幸せそうで、その背景を忘れてしまいそう。。

でも時折、誘拐したことを常に意識しているような場面もでてきて、
この生活がずっと続けばよいのか、終わりにした方がよいのか
見ている私も、分からなくなってきます。。

子供と別れる間際に誘拐した女性が発した言葉は
その子は、まだご飯をたべていません。
という、まさに母親な言葉で、
彼女が本当に子供を大切に思っていることが伝わって来て思わず涙。。

血のつながりだけではない、一緒に過ごした時間の大切さを考えてしまいました。
反対に、その時間を奪われた本妻の悲劇も同様に。。。

人との関係って、形ではなくその内容が何よりも大切なんだな、、きっと。


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【公式サイト】http://www.youkame.com/index.html
監督: 成島出  脚本:奥寺佐渡子  音楽:安川午朗
製作総指揮:佐藤直樹  原作:角田光代
井上真央/永作博美/小池栄子/森口瑤子/田中哲司/市川実和子/平田満/劇団ひとり

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☆原作

八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/01/22
  • メディア: 文庫


☆エンディング曲

Dear

Dear

  • アーティスト: 中島美嘉
  • 出版社/メーカー: SMAR
  • 発売日: 2011/04/27
  • メディア: CD


☆舞台となった小豆島

小豆島 遍路と旅

小豆島 遍路と旅

  • 作者: 冨永 航平
  • 出版社/メーカー: 朱鷺書房
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 単行本



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ヤギと男と男と壁と [映画:や行]

ホントに実在した超能力部隊。これで世界は平和になる!

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アメリカ軍に実在したという特殊エスパー部隊☆
その精神はLOVE & PEACEっていうw
なんだかバカバカしくておもしろそうな設定に惹かれた映画。

ユアン・マクレガー、ジョージ・クルーニー、
ジェフ・ブリッジス、ケビン・スペイシーと出演者も豪華です♪

へんてこエスパー技で敵と戦うのかと思いきや、
話はぜんぜん違う方向へ、、、
笑いも『ハングオーバー』くらいの勢いを期待してたのだけれど、
それともまたちょっと違う感じの映画でした^^


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フォースの力で戦わずして世界を平和に導く戦士を育成する
「ジェダイ計画」の顛末を描いていますが、
キラキラ眼力とか笑っちゃうようなへなちょこ技が色々出て来て、
これを本気で軍がやってたかと思うと、かなりシュールですw

記者(ユアン)と元エスパー部隊(クルーニー)の珍道中や、
新地球軍が誕生するまでのビル(ブリッジス)の謎のヒッピー生活とか、
いろいろ笑えるところもあるのだけれど、
どうもイマイチ物語に乗り切れなかったのが正直なところ。。

1つ1つのパーツは面白いし、役者さんも良いんだけどな。
なんか、惜しい☆ってかんじです。

そんな中、一番印象にのこったのがこれ↓

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やぎ!!!!

このヤギの表情。めちゃくちゃウケました!
この目つきといい、くっちゃくっちゃ動かしてる口といい。
間違いなく、この映画のベストショット☆

このヤギの場面だけでも、この映画を観てよかったと思えました^^


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このヘンテコ設定のおばかっぽい映画に
なんでこの4人の俳優が出る気になったんだろう??
と、ちょっと疑問だったのだけど、
なんとなく「反戦」とか「軍批判」的なものがテーマなんですね。

やっと納得。

戦争の悲惨な状況を描いて戦争反対を訴える映画も好きですが、
この映画みたいに、軍をちゃかして、皮肉って
なんか、戦争ってバカバカしいな〜
って思わせる映画っていうのも良いな♪と思います。


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↑この新地球軍の壁画が五月女ケイ子の絵っぽくて好き♪
ポスターなどのアートワークもセンスが良いし
これでもっと物語が面白かったら、好きな映画なんだけどな〜^^;

ちなみに、このモノクロ写真はジェフ・ブリッジスが撮影中に撮った
オフショット写真のうちの1点。
あいかわらず、味のある良い写真撮りますね〜☆

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【公式サイト】http://www.yagi-otoko.jp/
原題:THE MEN WHO STARE AT GOATS 監督:グラント・ヘスロヴ
脚本:ピーター・ストローハン 原作:ジョン・ロンスン
製作総指揮:バーバラ・A・ホール、ジェームズ・ホルト、アリソン・オーウェン、デヴィッド・M・トンプソン
音楽:ロルフ・ケント
ジョージ・クルーニー/ユアン・マクレガー/ジェフ・ブリッジス/ケヴィン・スペイシー
スティーヴン・ラング/ニック・オファーマン/ティム・グリフィン/ロバート・パトリック

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☆元ネタはノンフィクション小説

実録・アメリカ超能力部隊 (文春文庫)

実録・アメリカ超能力部隊 (文春文庫)

  • 作者: ジョン ロンスン
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫


☆ジェフ・ブリッジスが撮影中に撮った写真を1冊にまとめたもの♪いいセンス

Pictures

Pictures

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: powerHouse Books
  • 発売日: 2006/09/01
  • メディア: ハードカバー



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闇の列車、光の旅 [映画:や行]

この出会いが、私を強くした。

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2009年のサンダンス映画祭で監督賞と撮影監督賞を受賞した
南米を舞台にしたロードムービー☆

アメリカへ渡ろうとする難民の少女と、ギャングの少年の姿を通して、
南米の闇と、かすかな光を描いた作品です。

監督のケイリー・ジョージ・フクナガは名前の通り日系人。
現在33歳で、これが初の長編監督作品となる若手新人監督です♪
映画の制作には「ルドandクルシ」など南米映画ではおなじみの
ディエゴ・ルナガエル・ガルシア・ベルナルが名を連ねてるので
てっきり監督も南米の日系人かと思いきや、アメリカ人なんですね〜。

この映画の為に監督は、実際に難民と同じ列車に乗り、
彼らと旅をした経験が映画でも描かれているらしいので、
この物語のできごとは、かなりリアルなんじゃないかと思います。


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難民といってもいろいろあるわけで、
主人公のサイラのようにメキシコよりさらに南のホンジュラスから、
グアテマラとメキシコを超えてアメリカに入ろうとする人もいるんですね。

いつくもの国境を超えないといけないので、その旅は長くて過酷。。

強盗に襲われたり、警察から逃げたり、気温差の激しい土地ならではの自然との戦い
また南米内でも北のメキシコ人による南のメキシコ人に対する差別があったりとか、
長い旅の中には、さまざまな出来事がおとずれます。

それでも北を目指す目的は、やっぱり貧困で、
でも北に行けばすべてがうまくいくと思っていないところもリアル。

少なくともここよりはマシだろう。ここには何も無い。

そんな絶望的な状況から、かすかな希望を求めて列車に乗る人たち。
信仰心からくるものなのか、全ての出来事受け入れて前に進む強さ。
難民同士で助け合う姿とか、私が南米の人々に描くイメージそのものの人間像も
描かれていて、すこしホッとします。


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南米の人々は家族愛が強いというイメージもあるけれど、
この映画も「家族」がテーマとしてあったように思います。

サイラは離ればなれになった家族を求めてアメリカに渡ろうとするし、
ギャングのカスペルは組織の仕事に疑問を持ちながらも離れられないのは、
そこに家族的なものを求めていた様にも思える。

信頼しあえる家族のような人を求めて、サイラとカスペルは惹かれていったし、
ギャングたちの姿でさえ、一人では生きられない寂しい人たちの集団に思えた。

想像通りの悲しい「負の連鎖」の物語だけれど、
ラストには、少し強くなったサイラの生きる先には、
ささやかでも希望の光があると信じたいです。

一つ難点をいうならば、、
サイラや、マルタといった女性たちの行動がいまいち納得できないところが、、^^;
マルタが墓地に行ったのは嫉妬心なんだろうし、
サイラが彼を追いかけたのは恋心なんだろうけど、、、
2人の行動は、軽率で浅はかに見えちゃったな。私が女子だから気になるのか、、

そこ以外は、列車が走る風景の移り変わりも美しいし、
南米の社会問題、人間同士の繋がり、淡い恋物語、、と深みのある映画でした♪


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映画で描かれたカスペルが所属するギャングMS-13は実在する組織です。
世界最大の凶悪な集団として社会問題にもなっています。
あの13秒殴るという儀式も、笑っちゃうような入れ墨だらけの顔も
全て実際に彼らの中で行われている事。

元々はL.Aのスラム街に逃げて来たエルサルバドル難民の数人の少年たちが、
メキシコ移民や黒人ギャングから身を守る為に暴力的になって行ったのが始まりです。

映画にも出て来たハンドサインも、元は少年達がヘビメタ好きだったからだそう。

始まりはそんな小さなことなのに、これだけ大きな組織になっていったのは、
それだけ多くの人が家族を失い難民となって、
自分の身を守る為に彼らを頼ったからなんでしょうね。。

組織が拡大してからは、映画の様に新しいメンバーを勧誘したりと、
最初の状況とはだいぶ変わってきているようだけれど、、

エルサルバドルは「中米の日本」と呼ばれることもあるぐらい、
勤勉でまじめな国民性があると言われているのに、
かたや、こういう最大のギャング組織も生み出してしまうんですね。。
貧困や戦争、暴力支配がはびこる社会が生んだ負の遺産なのかも、、と思うと
彼らの存在自体が悲しいなぁ、、


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【公式サイト】http://www.yami-hikari.com/
原題:SIN NOMBRE/WITHOUT NAME 監督・脚本:ケイリー・ジョージ・フクナガ
製作総指揮:ヘラルド・バレラ、パブロ・クルス、ディエゴ・ルナ、ガエル・ガルシア・ベルナル
音楽:マルセロ・サルボス
エドガル・フローレス/パウリナ・ガイタン/クリスティアン・フェレール/テノッチ・ウエルタ・メヒア

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☆日本で暮らす難民もたくさんいますね、、日本の実態にも目を向けたいです

難民支援協会 http://www.refugee.or.jp/

LIGHT FOR RIGHTS http://l4r.jp/


☆ホンジュラス、、どんな国なのか気になる

エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを知るための45章 エリア・スタディーズ

エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを知るための45章 エリア・スタディーズ

  • 作者: 田中 高
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2004/08/25
  • メディア: 単行本


☆音楽たちもナイス!でした

Sin Nombre (Score)

Sin Nombre (Score)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Lakeshore Records
  • 発売日: 2009/03/24
  • メディア: CD



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善き人のためのソナタ [映画:や行]

「この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない」



これは、ラスト3分を観るためだけに観てもイイ!と思える映画です。
それくらい、ラストが素晴らしかった☆ 名場面☆

壁崩壊直前の東ベルリン。
国家保安省(ジュタージ)の局員である主人公が、
ある劇作家が反体制である証拠をつかむ為に盗聴するうちに、
心が動かされていく、、、という内容。

「ベルリンの壁崩壊」は、当時ニュースの映像で観た記憶があります。
ただ、子供だったのでその意味はわからず、、
でも、市民の熱狂が映像からも伝わり、「何か凄いことが起きたんだ、、」
と漠然と感じたことを覚えています。

共産主義だった旧東ドイツをリアルに再現した映画、、とのことですが、
つい20年ほど前に、こんなことがあったなんて、、、
あの壁崩壊の熱狂が、少し理解できた気がしました。

映画は全体的に、共産体制の緊張感がそのまま伝わってくるような印象。
中盤からちょっとスパイ映画のような、ドキドキハラハラも加わり、
2時間30分近くある上映時間が、全然長く感じませんでした。

主人公は、ザ・共産主義☆ な感じの堅物。
ジュタージの仕事に全てをささげ、愛する恋人も、語らう友人もいない生活。
ロボットのようだった主人公が、劇作家の生活を盗聴するうちに、
愛に触れ、音楽に触れ、文学に触れ、だんだんと人間性がでてくるのがお見事。

長年のロボット生活で感情表現に慣れていないのか、
うれしさも悲しさも表現が小さいのがまた愛おしく感じてしまいました。

不器用にしか生きられず、壁崩壊後も楽しそうに暮らしてるようには見えないけど、
きっと、あの本がこれからの彼の人生を豊かにしてくれるといいなぁ。。


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ゆれる [映画:や行]

「あの橋を渡るまでは、兄弟でした」



ゆれました、、、ゆらゆらと。。

泣きました、、はらはらと。。。

映画の設定と同じような状況にある自分は、
胸をえぐられるようなキモチです。。

登場人物の内面を、一枚一枚はがしていくような進行で、
そのたびに、自分の内面にも、ぐさり、ぐさりと刺さるものがありました。

兄は弟に嫉妬していた。
弟の様に自由には生きられない。だって兄だから、責任があるから。
いいお兄ちゃんでいなければいけないから、、と

お兄ちゃんのやさしさが痛い、、

だから、中盤からどんどん壊れていく兄を見るのは辛かった、、

わかるけど、、受け入れたいけど出来ない。。
そうさせてしまったのは弟かもしれない、、とも思う。。

ラストは、余韻を残す感じで賛否両論あると思うけど、私は好き。

ラストカットがお兄ちゃんの「笑顔」で良かった。
見終わった後も、お兄ちゃんの笑顔が印象的に残るコトに救いを感じます。。


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ユナイテッド93 [映画:や行]

「四機目の物語」


これは、なんとも消化しきれない映画だ、、、
、、というか、映画、、、なのか??

自分も一緒に飛行機に乗り、そして最後は死んだ、、
そんな気分。

観終わったあと、放心状態になる、、
悲しんでいいのか、怒っていいのか、、どんな感情もわいてこない。

当時のN.Y市民は、こんなキモチだったんだろうか。


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